情報収集出来ない韓国軍

※国家間の約束を守らないのは北も南も同じ。
 
11月23日、韓国では北朝鮮による「延坪島砲撃」事件のあった日として記憶されている。事件から9年。その日、北朝鮮は南へ向けて海岸砲の射撃を行っていた。しかも金正恩自ら現場を訪れ、直接指示しての事だ。
 
現場は南北の軍事境界線付近、つまり最前線だ。それだけに対峙する韓国軍も当然それなり以上の緊張感を持って任務にあたっている…と思いきや、毎度お馴染みの
 
「お笑い韓国軍」
 
再びやってくれた、と言うのが対応の実態だった模様だ。
 
 
常識的に考えれば北朝鮮のこの行為は「軍事挑発」以外の何物でもなかろう。金正恩とて間近に韓国軍の最前線部隊が居る事など百も承知だろう。それでもこの様な拠に出たのは「韓国軍の反応を確かめる」意味合いもあるのだろう。特にGSOMIA破棄騒動を巡って日韓、米韓共に関係は悪化している。特に北朝鮮にとっては在韓米軍は文字通りの「目の上のたんこぶ」なのだから、米韓関係が上手くいっていない方が望ましい。在韓米軍と韓国軍の連携を確かめるのがその狙いだったのではないだろうか?
 
だが、実際には韓国軍は、砲撃の音響は把握していたものの、それ以外の情報、例えば射撃方向や発射弾数、着弾地点等の情報は「把握できていなかった」と言うのだ。朝鮮戦争は現在に至るまで「休戦中」でしかなく、「戦争状態が継続中」である。そんな状況下でこの大失態なのだから救いはない。最前線部隊がこの体たらくなら金正恩にその気と必要な物資さえあれば「北朝鮮侵攻」と、韓国が気付いた時には既に前線部隊を壊滅させている様な電撃作戦も出来るかも知れない。現場だけではなく、最高指揮官の責任も免れないだろう。韓国軍の最高指揮官は言うまでもなく大統領、文在寅その人である。
 
※軍の失態は最高指揮官の責任でもある。
 
韓国軍はそれらの情報を「保安上の理由」から公開しなかったが、何の事はない。実際には「公表しなかった」のではなく「公表出来なかった」のである。失態を隠蔽する為、「嘘の発表をした」と言う事だ。それは「最高指揮官の責任も問われる」理由となろう。
 
とは言え現場は昨年の南北首脳会談で合意した海上敵対行為禁止区域(緩衝区域)内である。国家間の約束を明確に踏みにじった訳で非は明らかに北朝鮮にあるのだが、それに対して韓国国防部は
 
「遺憾に思う」
 
「海岸砲射撃訓練は9・19軍事合意に違反するもの」
 
と言う声明を出した。そんな事言う前に自分達も日本との約束を守らないのだが、見事にここで
 
「自分達がやられれば文句は言うが自分達は他人にそれを平然と行う」
 
と言う「ダブルスタンダード」を披露してくれた訳だ。これが罷り通ってしまう、と思って居るなら。勘違いも甚だしい。韓国は先ずは「国と国との約束を破られる」事の意味を理解すべきである。