「韓国の完全敗北」の意味を理解していない韓国メディア

※何を言った所でこの者の外交音痴で国益を棄損している事は否定できまい。
 
中央日報が奇妙なコラムを掲載している。相変わらず「一見もっともな」内容だが、よく読むと支離滅裂、と言う毎度の内容だ。
 
「外交は勝利したような印象を与えない技術」
 
と言う19世紀のオーストリアの「外交達人」クレメンス・フォン・メッテルニヒと言う人物の言葉があるらしい。例えば日韓の慰安婦合意。「日本政府が10億円出す」と言う一見韓国の要求を呑んだかの様な印象だったが、それは韓国の求める「賠償」ではなく「それを元手に資産運用してその利益で自称元慰安婦のケアをする」と言う性質だった。しかもその資産運用の責任は100%韓国側の責任だった。その上で日本は「最終的かつ不可逆的に慰安婦問題が解決」「この問題で互いの批判は控える」そして「『賠償問題は解決済み』と言う『根本の主張を貫徹』」と言う「成果」は得ていたのだからメッテルニヒの言葉を前提にするなら正にこの慰安婦合意は「安倍首相の外交上手」の証明だと言える。
 
然るに今回の韓国の「GSOMIA破棄凍結」はどうか?文在寅は最初から「GSOMIA破棄論者」であった。それも大統領選挙で公約にするほどの筋金入りだ。それが公約達成1歩手前で方針転換。しかも文在寅は「一度決めた事は変えない」人物らしい。それが今回、この様な結果になったのは一見「完全敗北」にしか見えない。それどころか「その代わりに韓国が得たもの」が何だったのか考えれば
 
「完全敗北以外の何物でもない」
 
事は明白だ。
 
※日本は何も譲歩しなかった。
 
韓国は当初から「GSOMIA延長条件」に「日本の輸出管理体制強化の撤回」を要求してきた。GSOMIAの破棄は現実に回避されたが、日本が応じたのは「輸出管理体制強化に関する協議」であって「撤回」ではない。勿論協議の結果、合意して措置撤回、と言う可能性はあると言えるが、日本がこの様な措置に出たのは
 
「戦略物資の韓国側の管理体制に不信感を持っている」
 
からであって、そうである以上、幾ら協議を開いた所で韓国側が「日本の不信感を払底させられるだけの対策」打ち出せなければ「永遠に平行線」だ。つまり韓国は求めている「輸出管理体制強化の撤回」の為に「GSOMIA破棄凍結」と言う最大の譲歩に加え、これから行われる協議でも譲歩しなければ望む成果は得られない、と言う事である。
 
※GSOMIAと輸出管理体制強化は関係ない。
 
コラムは韓国での「日本製品不買運動」を挙げて「日本も敗者」と「精神的勝利」を強調しているが、そもそもこの二つの問題に関連性がない事は最初から日本政府は明言していたし、今回韓国はその日本の主張を崩す事は出来なかった。どう考えても「韓国の外交的敗北」でしかない。
 
記事にする方もそれを読む方も「表面上の事」にばかりとらわれていては「事の本質」は掴めない。今回韓国が「GSOMIA破棄凍結」の代わりに得たもの、と言うのは
 
「輸出管理体制強化に関する協議」
 
であり、そこで結果を得るには「更なる譲歩」が事実上必要となる。そしてもう一つは
 
「周辺国からの不信感」
 
である。GSOMIAに関係する日米はもとより、「GSOMIA破棄」期待していた支那北朝鮮、ロシアも「文在寅の裏切り」としか受け止めない。最初から結論はどうであれ「初志貫徹」していれば少なくとも「日米」か「支北露」のどちらかからは不信感を抱かれる事はなかったろうに、
 
「どっち付かずで迷走」
 
した挙げ句、「虻蜂取らず」になっただけだ。それの何処に
 
「外交的勝利」
 
の要因を見出だせると言うのだろうか?
 
日本が「パーフェクトゲーム」と言った理由はそういう事なのだが、このコラム、その意味をもっと深く考えてから書くべきであった。メディアに「権力の監視」と言う役割がある事は否定しないが、韓国の場合、それがこの程度のレベルだからこそ、
 
「おかしな大統領がおかしな事をする」
 
のである。日本を批判する前に先ずは己の襟を正せ。