文在寅の外交下手のツケ

※で、どうするんだ?
 
韓国外交がまたもや窮地に陥っている。先月、イランのダヤニ一族が提起した国家・投資家訴訟(ISD)で韓国政府は敗訴し、日本円にして約69億円にものぼる賠償を支払う義務を負ったのだが、
 
「賠償を支払う手段」
 
がないらしい。アメリカによるイラン制裁が原因らしい。しかも韓国にとっては更に間の悪い事にアメリカによるイラン軍司令官殺害事件で両国の緊張がこれまでにないレベルにある中、おいそれとアメリカに「お伺い」立てる様な雰囲気でない事は明白だし、だからと言ってイランに対する「国際義務」を放置する訳にも行かない。アメリカとイランの「対立や緊張」は韓国の責任ではないが、韓国外交の下手さが「裏目に出た」と言う感は否めなさそうだ。
 
 
事の経緯は2010年。イランのダヤニ一族が韓国・大宇エレクトロニクスの買収を進めていたのだが、同年、米国のイラン制裁施行などの影響でダヤニ側が買収額を引き下げようとすると、韓国の債権団はこれを根拠に契約を破棄し、契約金(578億ウォン)も返さなかった。これに対しダヤニ一族は韓国政府を相手にISD(国家・投資家訴訟)訴訟を提起し、最終的に韓国側が敗訴した、と言うものだ。だが、アメリカは「対イラン制裁」としてイラン中央銀行および50の銀行・金融機関を制裁対象とし、外国金融機関がアメリカの金融機関を通じてイランと金融取引をしてはならない、としている。韓国がイランに送金しようとした場合、「ドル」を経由する必要があるとの事だが、それだけ大量のドルをイランへ送金、となると例え対象のダヤニ一族がアメリカの制裁対象でないとしても「多額のドルをイランへ送金」と言う時点で殆どの金融機関はアメリカの制裁抵触を恐れて二の足を踏む。これがこの問題を取り巻く現状である。
 
※容赦なし。
 
結局韓国としてはダヤニ一族に韓国ウォン口座を開設して貰い、そこに賠償金を送金する形を模索していると言う。これなら韓国内の処理で済むのでアメリカの制裁を回避出来るが、韓国からイランへ「そのカネをどうやって持ち出すのか?」と言う回答には程遠い。一応韓国としてはアメリカに対し、事情を説明した上で了解を取り付けるべく水面下で動いていた模様なのだが、現在、どう考えても「そんな事話し合える雰囲気でない」事は聞くまでもないし、アメリカの制裁を無視する形で送金を強行すればそれが「義務の履行」であろうがその他どんな理由であろうがアメリカは「韓国の裏切り行為」としか見ないだろう。只でさえ文在寅の愚劣な言動のせいで韓国はアメリカから「同盟国としての信頼」を失っているのに自ら「火に油を注ぐ」真似をすれば
 
アメリカが韓国を経済的に締め上げる」
 
展開だって有り得る。幾ら文在寅が経済音痴でもそれをされれば韓国経済が「三途の川の向こう側」へ飛ばされる事位は承知しているのだろう。思考が左へ傾くのは自由だが、個人的な思想信条ならともかく、大統領である以上、自国の立ち位置を把握した言動でないとこの様に「詰まる」事にもなりかねない。そもそもアメリカの対イラン制裁は昨日今日から始まった訳ではないが、韓国政府の対応を見るに、
 
「自国が敗訴した場合の対応」
 
は頭の片隅にも無かったのだろう。この裁判で「韓国が勝訴出来る可能性」がどれ程のものだったのかは知らないが、韓国側が「自分達の不利」を悟っていたならこの様な事態は想定出来る筈で、そうであるならそれが現実になる前に他の手を打っておくべきであった。韓国側がこの裁判を「勝てる」と見ていたのであれば結果論かも知れないが、「見通しが甘かった」訳だし、事前にアメリカに「根回し」していなかった事も「ミス」と言われても仕方ない部分はあるのだろう。要するに文在寅の「外交下手」と言う要素は排除出来ないのである。日本がアメリカともイランとも上手く付き合っているのを見れば尚更であろう