トランプ大統領の言動を批判するだけが能ではない

※批判するのも良いが、疑問に対する答えは?
 
トランプ大統領がWHO脱退を表明した事について「再考を求める」声が続出していると言う。そう言う意見を表明するのは自由だが、彼等はトランプ大統領の提起した疑問にまるで答えていない。
 
 
トランプ大統領の行動を「自分勝手」と、批判する事は簡単だが、それはトランプ大統領が提起した疑問に対する答えにはなってはいない。国連事務総長のグテレスは「WHOに代わりはない」、またフランスのマクロン大統領も「新型コロナウイルスとの闘いには力強いWHOが必要だ」と、WHO総会で発言したそうだ。
 
確かにWHOの様な「公衆衛生に関する国際機関」は必要だし、現状ではWHO以外にその様な組織はない。勿論組織があった所で何ら無力では意味がないのでそれなり以上の力が必要なのは言うまでもないが、現状のWHOが今回のコロナ禍どれだけの働きをしたと言えるか?
 
 
※WHOがコロナ禍に対してどれだけの事をしたと言うのか?
 
WHO事務局長テドロスの発言を見ても明らかな様にWHOはこのコロナ禍に対して有効な防疫対策を何一つ打ち出せなかったどころか、逆に被害拡大に貢献した、としか言い様はない。そのとばっちりを最も受けたのがアメリカだ。勿論他国でも相当な被害が出ているが、それら全てが「自分達の防疫対策の誤り」と言い切れる首脳がどれだけ居るか?答えは「ゼロ」だ。多くの国が初期対応を誤り、その結果自国へのウイルス侵入を許し、被害拡大に繋がった。逆にWHOの対応を無視して独自の対応を採った台湾はウイルス感染拡大阻止に成功した。その事実を見れば「答え」は自明の事であろう。トランプ大統領の指摘の根幹はそこにある。
 
勿論それ以外にも「テドロスと支那の癒着」について日本に限らず多くのメディアが指摘しているが、先に挙げた発言はそれらの答えにも反論にもなっていない。そしてそれらの発言をしている人々以上にトランプ大統領は大きな被害に直面しているのだ。トランプ大統領の立場からすれば「他人事だからそんな言い方が出来る」のだと言う事も出来る。
 
WHOが今回のコロナ禍に無力で、かつパンデミックに一役買ったのは事実だ。こんな役立たずの組織にどれだけの存在価値があると言うのか?テドロスを見れば判る様に「チャイナマネーもコロナウイルス同然」であり、駆除すべき対象だ。その根幹に切り込まなければ今回の被害を今後の教訓には出来ないし、同様、もしくはそれ以上の被害が発生するリスクは常に付きまとう。「WHOが世界唯一の国際公衆衛生組織」でなければならない道理もない。新たな組織を結成して其方で今後の対策を考える、そんな事までトランプ大統領が見越しているのであればトランプ大統領の言動を支持する理由としては十分なものになる。トランプ大統領を批判しつつ「WHOには改革が必要」(ドイツ保健相)と言うのであれば具体的提案が必要だ。また、EUは経済的な関与を深め、中心的な役割を果たさなければならない」と、同時に言及したそうだが、それが「WHOとチャイナマネーの癒着を断ち切る」と言う意味であればトランプ大統領の指摘とその本質は変わらない。で、あればトランプ大統領の言動を批判する意味は大してないのだが。
 
※お前の責任追及は世界共通の課題。
 
このコロナ禍に対するテドロスの責任問題は明白だが、「その後の主導権争い」と言う暗闘が既に始まっている様に思える。勿論現在そんな事をしている場合ではないが、世界の足並みが乱れているのはそういう事情があるからではないのか?日本も勿論最優先は「ウイルス感染拡大阻止」であり、その後の経済建て直しである事は言うまでもないが、その後の「公衆衛生に関する国際機関の在り方」にどう対処するか考えておかなければチャイナマネーに翻弄されるか、そうでなくても存在感を発揮出来ないかのいずれかに陥る。今回の日本の対応は批判すべき点もあるが「勝ちに不思議の勝ちあり」を地で行く様な結果だとも言える。その要素に「日頃の公衆衛生意識の高さ」がある事はまず間違いないし、それが今後の「国際的な模範」となる可能性は十分ある。そうなる様な努力も同時に怠ってはならない、と思えるのである。いずれにしてもトランプ大統領の言動を批判するだけでは何も生まれない。その意味を考えて今後の事も見据えて行動しなければならない事だけは確実であろう。日本政府にもそういう行動が求められる。