ミャンマーでクーデター、この国はどうなる?

※今後どうなる?
 
ミャンマーで軍がクーデターを起こし、大統領やアウンサンスーチーはじめ多くの政権幹部の身柄を拘束したと言う。更にTVやネット、電話なども遮断され、早口に言えば軍に都合の良い情報しか流れない模様だ。この国はどうなってしまうのだろうか?また、国際社会この事態にどう対応するのだろうか?
 
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20210201-00000069-mai-asia

 

 


軍がこの様な真似を仕出かしたのは昨年11月に行われた総選挙結果であろう。この総選挙、それまでは軍人が議会定数の4分の1を保障されている等の特典があったが、前回の選挙からそういう事はなくなったと言う。結果、与党は上院224議席中135議席、下院440議席中255議席を獲得、一方軍が支援する野党は上院で11議席、下院で30議席と、惨敗どころの騒ぎではないレベルの大惨敗だった。しかもこれまでの与党の政権運営の実績から下馬評は「与党苦戦」だったにも関わらず、である。与党は苦戦どころか逆に票を伸ばした事になる。
 
そこで軍は「選挙に不正があった」と主張。具体的には選挙人管理名簿の不備等を挙げていたが、他国から派遣された選挙監視団が認める様なモノではなかった。そこで実力行使に出た、と言う事か。
 
で、あれば「民主的手続きを軍が実力で覆した」と言う事で民主主義とは相容れない行為であり、容認出来る代物でない事は明白であろう。ミャンマーでは永らく軍による独裁政治が行われて来たが、2015年に民主化した。だが、僅か5年足らずで元の木阿弥に帰した訳だ。軍の既得権益がなくなった事への反発が根底にある事は容易に想像出来る。既得権益にどっぷり染まった連中と言うのはそういう物なのであろう。既に建前としては時期限定ながら「独裁」状態になっているのだからこの先その気になれば「証拠の捏造」「後出しじゃんけん」等幾らでも出来る。そういう状況下で出てきた連中の言う「不正の証拠」にどれだけの説得力があると言えるのだろうか?
 
当然国際社会からは非難の声が速攻で上がり、早くもミャンマーへの制裁まで取り沙汰されている。一見ミャンマー民主化の為に必要であればそういう措置もやむを得ない、と言う考えもあるが事態はそう簡単ではない。理由は支那の存在である。
 
※やはり支那共産党は世界の癌。
 
ミャンマーで軍が政権を握っていた時代、欧米諸国は制裁を課していた。そこに付け込んで関係を強化したのが支那である。民主化されて欧米諸国との貿易や投資も行われる様になったが、それでもミャンマーにとって最大の貿易相手は支那のままである。ここで軍の行為を「クーデター」と断じて制裁を課す事は出来てもその結果ミャンマー支那との結び付きを更に強めて支那サイドに付かれるかも知れない、と言う懸念が「頭痛の種」となっているのだ。やはりコイツ等は何が起きても世界に迷惑しか及ぼさない。
 
逆に言えば軍もそう踏んだからこそクーデターの実行に踏み切れたのだろう。で、あれば実際に選挙で不正があったどうかや、クーデターに大義名分があるか否かや、事態を受けて欧米諸国が制裁を課すか否かに関わらずこの国は良くも悪くも支那に寄り添う結果に変わりはないのだろう。そういう意味ではこのクーデターが国際情勢に大きな影響を与えるものではない、と言う事も出来るだろう。
 
ならば「ミャンマー民主化に水を差した」「支那共産党に与する者」として割り切って制裁を課してしまう方が思いきりが良いかも知れない。日本もミャンマーに援助等を行っているが、それらは基本的にミャンマー民主化を前提にしていると言うからこれを理由に一時停止するのも一案であろう。支那包囲網は「民主主義国家VS侵略覇権主義」と言う構図である。現状のミャンマーはとてもじゃないが民主主義とは言えないし、その意味が判らず、支那に寄り添うのであれば話としては判りやすい。どちらを選ぶのかは勿論ミャンマーが自分で決める事であるのだが。
 
ミャンマー民主化されても少数民族ロヒンギャへの迫害、と言う問題は全くと言って良い程進展しなかった。アウンサンスーチーでさえ、この問題には有効な政策を打ち出さず、欧米から非難の対象になっていた。この問題もこのクーデターによって事態が悪化する事はあっても改善する可能性は極めて小さい。これもミャンマーに制裁を課す理由になる筈だ。そういう意味ではやはりクーデターの有無がこの国の在り方を大きく変えるものではないと言えそうだ。だが、「クーデター」であれば他国からの非難の対象にしかならないし、一般国民からすれば迷惑にしかならないだろうが、この先の成り行きには注視が必要である。