トランプ潰しにしか思えないスラップ訴訟

魔女狩りは終わっていなかった…
 
1月のアメリカ議会襲撃・占拠事件で弾劾されたものの、無罪評決となったトランプ大統領に対して民主党議員が訴訟を起こしたと言う。余りにも対応が常軌を逸していると言えるであろう。
 

 

 

この件はトランプ大統領は「無罪」だと弾劾裁判では決定したが、必要な上院の3分の2以上の賛成は得られなかったものの、共和党からも7人の造反があった。だが、本当に「有罪」と言えるだけの証拠があり、それが弾劾裁判で提示されていたのであれば共和党からの造反はもっとあってもおかしくなかったのではないだろうか?共和党だから単純に「トランプ擁護」と言う訳ではなく、実際に「トランプ大統領が議会襲撃を扇動した」明確な証拠があれば弾劾では有罪となっていても不思議はない。
 
民主党がやろうとしている事。
 
弾劾裁判ではそれだけの証拠を民主党は提示出来なかった。それが全ての答えなのではないか?本当に「トランプ大統領が議会襲撃を扇動した」と客観的に言えるだけの証拠があれば弾劾裁判の時点で提示されていなければおかしい。従ってこの訴訟は「あくまでもトランプ潰し」を狙ったスラップ訴訟の類だとしか思えない。そんな事はかりそめにも民主主義国家の権力の一角を担う人物がする様な真似ではない、と言う事だ。
 
裏を返せば民主党はそこまで無理筋同然な訴訟を起こしてでも「トランプ潰し」を完遂しなければならない事情がある、と言う事なのだろう。本当に先の大統領選挙で「純粋な勝利を得た」のであればそもそもこんな真似をする理由などない。仮に2024年の大統領選挙にリベンジを期して出てきた所で返り討ちに出来るだけの実績を積み上げれば済むだけの話で、そうする事が政権与党として本来行うべき事である。そもそも民主党には最初からそういった「勝者の余裕」とでも言うべき要素が見当たらない。寧ろ「兎に角『勝利した』と言う既成事実を積み上げてトランプ大統領の反撃の芽を完全に摘む」事にだけ邁進している様にしか思えない。不自然にも程がある。
 
実際アメリカの法に照らして考えても記事でも指摘されている通りこの訴訟は棄却される公算が高いと言う。簡単に言えば問題の演説は「トランプ大統領の公務の一環」の範疇に入る可能性が高く、そうであれば過去の判例からもその様な判決になる公算が高いと予想される、と言う訳だ。勿論そんな事は訴訟を起こした民主党議員だって百も承知であろう。だがそれでも訴訟を起こす、と言うのはやはり「何らかの意図がある」裏返しなのだろう。
 
今回の大統領選挙は不正有無とは無関係に報道機関によって報道されている範疇だけで見ても「トランプ落選ありき」「トランプ再起の可能性を完全に潰す」意図があるとしか思えない言動ばかりである。それだけ「トランプ大統領」であっては困る事情を抱えた連中が多い、と言う事なのだろう。だからスラップ訴訟だとしか思えない訴訟を起こしてまでその目的を手段を問わず達成しようと言うのだろう。これでは勝った筈の民主党の方がよっぽど醜悪極まりない。
 
アメリカにそういう感覚があるのかどうかは知らないが少なくとも日本には「判官贔屓」と言う言葉がある。民主党のこの様な真似に対して一般のアメリカ人がどの様な受け止めをしているかは測りかねるが、この言葉を知らないのであれば是非アメリカ人にはその意味を教えておきたい。勝者の論理が全てではない。それは結局「力こそ正義」と言う帝国主義同然の考え方の延長に過ぎないのだ。寧ろ民主党はこのまま「トランプ潰し」に拘り過ぎるとそれ故に自分達の足元をすくわれる恐れがあると言えるだろう。それが国民の反発なのか、それとも外からの原因なのかはさておき、やればやるだけ「分断」を加速させる結果に繋がりかねない。民主党はその意味を理解して自重すべきである。