コロナ感染リスクの回避は「自助」が前提にある

 

 

 

※変異種にはこれまでの手法は通用しない、と言う事か。
 
GW真っ只中だと言うのに新型コロナ及びその変異種のせいで観光も何もあったものではない状況下。政府のコロナ感染症対策分科会の尾身会長がリモート出演で
 
「三密でなくても感染リスクがある」
 
と警鐘を鳴らしている。
 

 

 

変異種は従来種に比べて感染力が強く、重症化についても従来種とは違う傾向を見せている。今まで行ってきたやり方だけでは対応しきれていない、と言うのが正直な所であろう。従来種だろうが変異種であろうが問答無用で即刻無効化出来るワクチンでもあれば話は別だが、そんな代物が簡単に作れる筈もなければ、それがあったとしても全員の接種が終わるまでには否応なしに相当の時間がかかる。勿論ワクチンを打ったから大丈夫、と言う訳でもない。そもそも感染リスクは「国民一人一人の行動」にかかっている部分は大きい訳で、幾ら政府の対応が不十分だからと言ってそれを批判しながら自身が感染リスクの高い行動を取っているのでは元も子もない。それでコロナに感染したからと言って政府の対策の不十分さを理由にするのは筋違いであろう。勿論政府の対応が不十分なのは言うまでもないが、例えば路上で酒盛りしつつそれを言っても説得力はない。
 
政府をフォローする訳ではないが、緊急事態宣言、と言っても政府が私権を制限出来る範疇は限られている。外国の様に問答無用で強制措置、と言う訳には行かず、結局は国民一人一人の判断に委ねられている部分が大きい。そういう前提を無視して何でもかんでも政府のせいにするのはお門違いな部分もある。不肖筆者が地元を見ているだけでも
 
「この期に及んでもマスクもしないで街中を歩くどころか平気でコンビニなどに入る」
 
「『酒じゃないから』とでも言わんばかりに食い歩き飲み歩きしている」
 
と言った輩は少なからず存在する。読者様諸兄が運悪くそういう輩に遭遇してしまったが故に感染、と言う事だってあり得るのだ。それは政府のせいだと言えるか?
 
「人を見たらコロナ感染者だと思え」
 
とまでは言いたくないが、このウイルス、厄介な事に感染しても無症状、と言うケースもある事は周知の事実だ。先述した様な行動を取る輩が感染していない、なんて保障は何処にもない訳だ。政府の対応どうこうや緊急事態宣言の有無に関わらず自分で自身を守る「自助」がなければ政府の対策も意味がなくなる。少なくとも現状で政府の対策はそれを前提になされているからだ。
 
従ってそれを忘れて政府の対応が不十分だと批判するのはちょっと違う。もっとも入国制限等、問答無用で批判すべき項目があるのも確かだが、より強い強制力のある措置が取れる様に法改正された方が良いのか?それとも「自助」を前面に打ち出して自分の行動で自分を守る方が良いのか?それを考える段階になっている、と言う事でもある。また、「三密でなければ大丈夫」と言うのはミスリードだと言えるだろう。「人と人との接触」がある限り感染リスクは常に付きまとうものなのだ。だが、それを言ったら経済も何もかもが止まってしまい、社会の破綻に繋がる。生活する為には否応なしにある程度の「人との接触」は避けられない。その中で如何に自分への感染リスクを回避するのか?それが問われているのである。