勝者なき都議選

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※まさに「勝者なし」

4日に行われた東京都議会選挙。総選挙の前哨戦、と言う位置付けで各党が力を入れて臨んだものの、その結果は

「勝者なし」

とでも言うべき結果になってしまった。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/82ad25509a7f0520a2b1114766668854757e0107


都知事の与党たる都民ファースト議席を減らし、第二党に転落。議席の増減で言えば明らかな敗北だが、自公の過半数を阻止するだけの議席は確保。また、その自公の出す政策の拒否権を事実上握っているに等しく、そもそも都知事からしても選挙の前後でそれほど事態の変化はない。「惨敗予想」だった下馬評を大きく覆す結果だっただけにそういう意味では「勝利」と言えなくもない。

自民党議席を伸ばした。その意味では「勝利」と言えるが、選挙協力した筈の公明党と合わせても過半数に届かなかった。その意味では自民党も「敗北」と言える。

公明党も候補が全員当選、と言う点では「勝利」だが、自民党と合わせて過半数に届かなかった。自民党のサポートが上手く出来ていなかった、と言う点では公明党も「敗北」したと言えるだろう。

立憲や共産も「議席を伸ばした」と言う意味では「勝利」したと言える余地はある。だが、コイツ等も足しても「小池都政の批判票の受け皿になった」とは到底言えない議席数でしかなく、また「オリンピックの中止若しくは延期」を掲げていた割にそれだけで支持を得られなかった事は確実である。「オリンピック中止若しくは延期」と考える有権者全員が立憲や共産に投票した、と最大限都合の良い解釈をしてもこの議席数では「その主張はこの程度の支持しか得られなかった」と言う裏返しでしかなく、その意味ではコイツ等も「敗北」であると言える。

つまり全党派が「勝利」と言える要素も「敗北」と言える要素も持ち合わせており、議会のカオスが深まっただけ、とも言える。

だが、この結果により、都知事だけはこの選挙結果の影響を殆ど受けずに2期目を凌げる。ある意味この選挙結果で一番得したのはコイツであり、

「この選挙の勝者は小池百合子

だと言う解釈も可能である。選挙の一部始終がコイツの掌の上での出来事、と思うと実に腹立たしいが、それもコイツの実力の一端、と認めざるを得ない部分もある。いずれにしても「煮ても焼いても食えない」都知事ではある。