日韓首脳の立場の違い
※立場が苦しいのは文在寅の方か。
オリンピックまで2週間を切ったが、それに対する文在寅の訪日を巡って神経戦が行われている。が、日本としては文在寅が来ようが来まいがさしたる影響はないが、文在寅としてはこの機会での日韓首脳会談は事実上の必須命題と言えそうだ。立場が苦しいのは奴の方なのは言うまでもない。
「(文在寅が)訪日される場合は外交上丁寧に対応することは当然だ」
とは言ったが一般論の範疇でしかなく、韓国が望む首脳会談については「行う」と明言、若しくはそう解釈出来る様な言動はなかった。一方どういう訳か文在寅の「日韓関係改善の意思は非常に堅い」らしい。
その理由として「アメリカの圧力」と言うのがあるのは容易に予想出来る。奴の残り任期で最も注力したいのは対北朝鮮外交だが、その為にはアメリカの協力は不可欠であろうそしてそのアメリカから「日米韓の協力体制の確立」を言われれば否応なく日韓関係改善をしなければならない。そこでこの機会を捉えての日韓首脳会談に拘るのだろう。
だが、大統領府では
と言う見解が支配的だと言うが、そもそもそれが根本的に間違っている。日韓関係改善の為に必要なのは「首脳会談や首脳同士の意思疎通」ではなく
「韓国が国際法や国としての約束を遵守する事」
と言う一点に絞られる。それがない限り如何なる状況下での首脳会談も意味を為さない。また文在寅は
「当事者が結者解之(自分が起こした問題は自分で解決するの意)の次元からでも外交を正常軌道にのせた後に次期政権がスタートしなければならない」
と常々言っていると言う。だったら徴用工問題での国際法違反の異常判決や慰安婦合意を骨抜きにして事実上破棄した事も自分で処理して次期大統領が誰であれ引き継がなくてはならない。日韓関係をここまで悪化させたのは文在寅の責任なのだからその始末は自分で行わなければならない事は論を待たない。
その為に必要な事は実にシンプルで判りやすい。
「韓国が国際法や国としての約束を遵守する」
それだけの事である。首脳会談がお望みならそれを表明して具体的提案を持って来る事だ。そうすれば日韓首脳会談も行われるだろうし、文在寅の言う「結者解之」も達成出来るし、アメリカを納得させる事も出来る。その方面では一石三鳥ではあるが、これを実行すると文在寅はメディアや国民から
「日本に屈した」
「日米と北朝鮮、どちらも納得させられる外交手段など存在しない」
日本としては
・そもそも文在寅が具体的提案を持って来ない限り会談に応じない
・会談するにしても形式的なものに終わらせる
どちらを選んでも外交的にはプラスもマイナスもない。韓国が何を言ってくるのか見極めて行動する余裕がある。一方韓国は
・首脳会談をしたものの日本の主張を丸呑み
・首脳会談をしても形式的なものに終わる
・訪日しても首脳会談が出来ない
いずれも「外交的屈辱」でしかないが、選択肢はそれしかない。まさに奴にとっては「究極の選択」だが、どれを選ぶのか?その対応は見物である。少なくとも日本は首脳会談をして「妙な妥協」をしない限り不正解にはならない。それが日韓の立場の違いであると言える。