アメリカで「ウイグル強制労働防止法」が成立

 

 
※効果は後から出てくるのだろう。
 
この法律により、新疆ウイグル自治区産の製品が「強制労働で生産されていない」という証明がなければ、米税関・国境警備局(CBP)が輸入を差し止める。勿論その立証責任は輸出した企業に課せられる。しかもその基準は
 
「明確かつ説得力のある証拠」
 
によらなければならない。また、新疆ウイグル自治区での強制労働の責任を負う個人や企業への制裁も可能となる。新疆ウイグル自治区は綿花やトマトの主要産地であるほか、太陽電池向けの多結晶シリコンの生産地、とされているので、ここで衣料品の材料となる綿花を調達していたり、太陽光発電関係の世界中の企業がアメリカへの輸出に影響が出る事は必至だ。立証責任のハードルが高いので、アメリカが主な取引先の企業の場合、材料調達先の変更等を検討する企業も出てくるかも知れない。…それがこの法律の狙いなのだろうが。
 
ウイグルの解放こそ正義。
 
早速支那は反発しているが、少なくともその疑念を世界が払拭出来るだけの証拠を提示出来ていないのは間違いない。そしてこの法律は超党派の圧倒的賛成多数で成立した。この件では共和党民主党もない、と言う事だ。寧ろ民主党の方がリベラルなだけ「人権問題」には敏感だ。支那はトランプの姿勢が都合悪いからとバイデンに期待したのかも知れないが、こっちの方が支那にはより都合が悪かった様だ。如何に習近平に「人を見る目」「先を見る目」がなかったのか?と言う話になる。
 
類似の法律がEUでも成立しようものなら事実上の「撤退勧告」の様なものである。勿論これで終わり、なんて事はなく、特にアメリカは支那経済の急所を抑える様な法律や制度をこれからも導入し続けるだろう。そしてそれはアメリカと支那だけでなく世界全ての企業に影響する。「日本は無関係」なんて間違っても言えない。国家レベルどころか企業レベルでも「アメリカと支那、どちらを選ぶか」が迫られる事になるのだ。経営者は重大な判断を迫られる事になるのだ。
 
※何をされるか判ったものではない。
 
「疑わしきは罰せず」と言うが、それは刑事裁判の話であって、人権問題ともなれば「疑わしきは罰する」と言うのがアメリカの基本原則になっている。生半可な立証ではアメリカを納得させるのは困難だと思われる。「李下に冠を正さず」と言った姿勢が求められると言っても過言ではない。ところで支那は有効な反撃策はあるのだろうか?なければこの先一方的にやられっぱなし、と言う展開もあり得る。そうなればどちらを選ぶかは明白だろう。日本企業にも賢明な判断を求めたい。