【雑談】火山でのゴミ処理は可能か?
※ハワイ・キラウエア火山の火口の様子。
増え続けるゴミ。環境問題の原因になっている事は言うまでもない。ゴミ処理場で焼却処分するにしても処理能力の限界、と言うものはあるし、またCO2の問題もある。それならば
「火山の火口にゴミを捨て、火口に溜まっている溶岩に処理させてしまえば良い」
なんて発想をした事はないだろうか?溶岩の温度は1000度を越える。ならば紙ゴミや生ゴミは間違いなくその温度に耐える事はないし、プラスチックゴミも消し炭にする事は出来る。実際のゴミ処理場の焼却温度も1000度近いと言うから数字上のスペックは同等で、かつ火山の熱源はごみ処理場と違って必要ない上、実質無限に等しい。天然のごみ処理場として活用出来ればエコな処理になりそうだ。と、思えるが実際はどうなのだろうか?
「火山でゴミ処理をする事は無理」
である。何故か?
先ず真っ先に挙げられるのは当該火山火口までのゴミ運搬ルートの開拓である。当然車が楽に通れる道が必要だ。それ自体は簡単に思えるかも知れないが、いつ噴火するかも判らない中でそれをやる事自体が危険である。また、道路が出来たとしても火山に噴火の兆候が見られたらゴミ処理どころではなくなる。更に火口付近では有毒ガスが発生している事は日常茶飯事。ゴミを捨てに行く時点で命懸けに等しい。
↓画像引用元
溶岩湖の表面には溶岩膜と言う薄い膜が出来ている。ゴミでも何でもそこに投げ込むとその溶岩膜を貫通し、炎が上がったかと思いきや、爆発にまで発展してしまうのだ。
家庭で出るゴミ袋一つでこの有り様である。その何百、何千、何万倍ものゴミを一度に放り込んだらどうなるかは言うまでもないだろう。下手すれば火山の噴火を誘発しかねない世紀の愚行となるのだ。勿論プラスチックなどあれば有毒ガスの素だ。火山でゴミ処理が出来ない理由である。
結局我々がゴミに気を遣う以外対策はないのだ。自然の力とはかくも偉大なもので人間の及ぶ所ではないのだ。この記事はそれをまざまざと教えてくれる。先ずは自分達が出すゴミを減らす努力から始めなくてはならない様だ。