6500万年前の事件

イメージ 1

筆者が幼い頃、恐竜絶滅の原因は諸説紛々であった。例えば大規模な火山活動による気候変動然り、氷河期の襲来然り、珍説・奇説の類では宇宙人が恐竜狩りをした結果だとか、太陽系付近で超新星爆発があり、その影響で大量の放射線が恐竜を絶滅させたとか、被子植物の出現により裸子植物を主食にしていた草食恐竜が適応出来ず食物連鎖が破壊されたとか…であった。

1980年代に「巨大隕石衝突説」が出て注目を浴びる。きっかけは白亜紀新生代第三紀の間の地層(K/T境界)に大量のイリジウムの層があったのを発見した事だ。

イリジウムの様な重金属は地表付近には殆ど存在しない。故に地球外からもたらされたと判断して巨大隕石衝突説に至った。この説を提唱したのが天文学者だったから笑えない。古生物学者は面目丸潰れだが、ユカタン半島でその証拠となるクレーターが発見され、白亜紀末に巨大隕石(直径約10キロ)が地球に衝突したのは間違い無いとされている。

巨大隕石が衝突し、「核の冬」と同様の現象が発生、それにより生態系が破壊され、恐竜は絶滅に至ったと言うが、実際には海に生息していた海棲爬虫類(首長竜や海トカゲ)、翼竜なども絶滅しており、そのあたりの説明が求められていた。

その答えとなりうるものが見つかったという。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140310-00000009-jij_afp-sctch

衝突により、酸性雨が発生、それにより当時生息していた 「有孔虫」と呼ばれる浅い海面に生息する種類のプランクトンが大量絶滅してしまう。有孔虫(炭酸カルシウムの殻で守られた単細胞生物)は酸性化した海水中ではこの殻が溶解してしまうと言う事だ。これでは生きてはいけない。海棲生物の白亜紀末の大量絶滅のメカニズムを説明出来るものと注目すべき実験結果だろう。

6500万年前の巨大隕石衝突で絶滅した生物もいれば何とか生き延びた生物もいた。その生き延びた生物から進化して我々人類がいる。そして人類は自分達の存在しない遥か昔の話を検証出来るまでになっている。人類の叡智にただ驚くばかりだ。