民主的でない民主国家

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ロシアがクリミア半島を自国に編入してしまった。現地の民意を受けての事だと言うが何かが違うと違和感を感じるのは気のせいだろうか。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140319-00000526-san-eurp

元々現在ウクライナで起きている事態は前大統領がEU加盟を見送った政治決断に反発した反体制派が半ばクーデターで政権を崩壊させ、前大統領はロシアへ逃亡、そこへロシアが介入してクリミア半島を制圧、クリミア半島のクリミア自治共和国はロシアへの編入を望んで住民投票を行った。賛成派は95%以上の圧倒的多数であり、クリミア自治共和国の民意としてロシアはクリミア半島を自国に編入といった流れである。

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更にプーチン大統領クリミア半島編入に以下の理由を挙げている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140319-00005599-wsj-int

1.歴史的過ちを正す
2.クリミアは強く安定した国の一部でなくてはならない
3.ロシアにウクライナ支配を拡大する意図はない
4.西側はキエフの新政権支持で「レッドライン」を越えた
5.ロシアは制裁を気にしない

「歴史的過ち」とはソ連時代にウクライナクリミア半島を譲渡した事を指している。元々ロシア(ソ連)の物が帰ってきたに過ぎないと言う事か。
また、ウクライナの現政権はクーデターに際して欧米諸国が裏で手を回していたとも言われている。事実ならそれもおかしいし、そもそも政権の判断の善し悪しは別にして反対だからと暴力で政権を転覆させるのは民主的なやり方とは言えないだろう。民主主義を口にする国々が非民主的なやり方を支援する。そのジョークの所為で死人まで出ているのに!

…だからと言ってロシアが正しいかと言うとそうでもない。歴史的経緯がどうあれ、クリミア半島ウクライナの領土であり、ウクライナ騒乱はクリミア半島をロシア領にするか否かで揉めて発生した訳ではない。またウクライナ憲法で領土の変更は全国民の投票によらなければ出来ないとしている。当然クリミア半島にも適用される。ロシアの編入ウクライナ憲法を無視した行動であり、ロシアの行動は法治主義に反する。日頃は非民主的な強権強圧政治をしていて風向きが良いと民意を口にして民主主義を気取る。どっちもどっちだ。

国連安全保障理事会はロシアの拒否権の所為で無力だ。「決められない国際政治」で泣きを見るのはウクライナ自身だが、ロシアも欧米もウクライナの事を考えて行動していない。考えているのはウクライナに自身に都合の良い政権を如何に立てるかだ。

…ここは一つ、ウクライナ国民自身に決めてもらうのが最善だろう。例えば前大統領の身の安全を保証した上でウクライナに帰国させ、出直し大統領選挙を行い、正当なウクライナ政権を作り直す。その新政権にクリミア半島をロシア領にするか否かとEU加盟の是非の国民投票をさせて結果がどうあれロシアも欧米も受け入れる、と言うのが一番平和的解決方法だと思うのだが…?

現時点で確実に言えるのはロシアのやり方を認めると後世に悪い例を残すと言う事だ。現実に支那尖閣のみならず沖縄を、韓国が対馬を狙っている。これら反日敵性国家が今回のロシアのやり方を真似て日本の領土を侵略してくる可能性はあるからだ。ウクライナ情勢は他人事ではない。

ただし北方領土問題があるからとロシアに遠慮するのも如何なものか?将来北方領土の全部又は一部が返還されて解決したとしてもロシアはクリミア半島の様に将来取り返しに来るかも知れない。

ロシアは敵には回したくないが味方として信頼も置けない相手であろう。日本にとっては支那や韓国とは別の意味で厄介者である。