TPPは妥結出来るのか?

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…日米首脳会談を経てもTPP交渉で日米の溝は埋まらず共同宣言が先送りとなる異例の事態になった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140424-00000587-san-pol

日米の妥結が出来ないとTPP交渉全体に影響するため、TPP交渉においては日米交渉の決着が最優先課題のようだ。どうやらコメ、麦、砂糖は関税維持を守り抜けそうな雰囲気だが、牛肉、豚肉、自動車での溝が埋まらないようだ。全体を一つのパッケージとして考える為、牛肉、豚肉、自動車の決着が付かないとコメ、麦、砂糖の努力も無駄になりかねない状況のようだ。

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TPPは建て前としては域内の関税撤廃が基本だというから輸出する側に有利なのは言うまでもない。…とは言え関税撤廃して外国製品の輸入によって国内産業が潰されては堪らない。日本が自らの国内産業(農業)の為、譲れない分野があり、そこに関税を維持して産業保護を図りたいと考えるのは自然な流れである。米国も同様に自動車産業がそうであり、互いの国益がかかっているのだから国益無視で簡単に妥結してもらっても困る。安倍首相には是非とも日本の国益を守って頂きたい。

TPP参加で日本の国内産業に打撃が発生するのを心配する声があるのは理解出来る。だが、ここで思い出したいのは幕末から明治期に日本は西欧列強から不平等条約を強いられたが、それを乗り越えた歴史があると言う事である。不平等条約とされる理由の一つに日本に関税自主権がなかった事がある。当時の日本もほぼ無関税で大量流入する外国製品に打ち勝てる様に国内産業の育成を行って最終的にはアジアで唯一西欧列強と対等の国になったではないか。

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ゼロ戦。当時の欧米人は日本を後進国だと見なしていたから、ゼロ戦の様な高性能機を日本が自力で開発したとは信じていなかった。

…筆者はそれが日本人の底力であり、現代を生きる我々にも本来備わっている力だと信じたい。ただ大東亜戦争の敗戦によって欧米人にその牙を抜かれたのだ。欧米人が恐れる日本人の底力はそこにある。だから占領期に自虐史観などと言う歪んだ歴史認識を植え付け日本人の牙を抜いた。日本人は自らそれを悟って自虐史観からの脱却を図るべきだ。安倍首相が我々国民に訴えたいのは正にその点だろう。

TPP交渉は閣僚級協議を継続する事で日米で一致している。安易な国益毀損の妥協には反対だが、大局的な観点からは多少の譲歩は避けられないかもしれないだろう。安倍首相は難しい決断を迫られるのは間違いないが、是非とも日本の国益を最大限守って頂きたい。

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※笑顔の裏でかなりの応酬があったのだろうか?