納得した西村主審の判定

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ブラジル・サッカーワールドカップ、日本はフィールド以外でも注目をあつめている。

コートジボワール戦、残念ながら負けてしまったが、雨のスタジアムで日本のサポーターはスタジアムを清掃して帰った。これが世界から賞賛されている。「これが日本の民度なのだ」と。
素晴らしい事である。街で時々見かけるゴミやタバコをそこらに捨てる奴、ゴミ箱に捨ててもロクに分別もしない奴、爪の垢を煎じて飲んで欲しいものだ。

開幕戦の審判も日本人審判だったのも注目を浴びた。但し判定が物議を醸す形になってしまったのは残念だが。

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開幕戦はブラジル対クロアチアだった。同点の場面、右サイドのオスカルがDFの股を通してゴール前のフレッジにパスを通す。このボールを受けたフレッジはDFデヤン・ロブレンを背負ったままターン……しようとしたときに倒される。西村主審がPKスポットを指差しながら笛を吹く。PKだ。

…この判定にクロアチア選手が抗議したが判定通りPK。このPKが決まり、これが決勝点となり、試合はブラジルの勝ちに終わった。

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試合後クロアチアニコ・コバチ監督は監督会見で「あれがPKならサッカーをする必要はない。バスケットボールをしよう」と皮肉たっぷりに語った。しかし、開幕戦の審判は「大会の判定基準を示す」のが役目だとする記事を見て納得した。西村主審は間違っていない。

http://soccermagazine-zone.com/archives/1191

因みにこの場面、イングランドでは、ロブレンがフレッジの肩を軽くつかんで引いたあのプレーで、PKを取られることは、これは絶対といっていいほどない。

 ユニホームを引っぱり、シュート体勢に入った選手を引きずり倒すとか、腰を抱き込むラグビータックルでもしない限り、PKはないそうだ。

その理由はセットプレーにおける自軍ペナルティー・ボックス内で“体を当てて相手のバランスを崩そうとするのは当然”という文化があるからだそうだ。

一方「ハンドボール(一番分かり易いのは 86年メキシコ大会でのマラドーナの『神の手ゴール』)や ダイブは南アメリカ・サッカー文化の一部だ」とも言われているようだ。つまりロブレン、フレッジ共に自文化のサッカーを体現してそれがぶつかった…どちらを採っても必ず一方の反発を招く厄介な事態を瞬時に判断しなければならなかったのだ。西村主審には敬意を表したい。

判定に納得いかない欧米メディアは物理学者にビデオを見てもらってフレッジがダイブしたのか否か判定してもらっている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140616-00006717-wsj-int

それによるとロブレンがフレッジの前進運動を止めるには600ニュートンの力が必要だとの試算結果が出た。さらにフレッジを引きずり倒すには、それよりも「はるかに大きい」力が必要なはずだと指摘する。また、他の学者がフレッジの「線運動量と角運動量」を分析したところ、フレッジが自ら意識的に地面に倒れない限り、転倒することはあり得ないとの結論に至ったそうだ。
この結果を言い換えるとこうなる。

フレッジはダイブした。」
(しかし、そこまで調べるか!?)

しかしFIFAは画像には少なくともロブレンの片手、恐らくは両手がフレッジに触っており、それが判定に影響したと指摘。さらに、これは相手選手をつかむ行為には審判は容赦なく対処するとのW杯代表チームへの警告だとした。

 「何も(接触が)なければ、選手が触ったり、つかんだりしなければ、こんな話をせずに済む」
(ダイブの必要性もないだろう)

…どうやらこれが答えのようだ。サッカーのルールは選手であれば熟知していて当然だ。ならばフェアプレーを心掛けるべきだ。そう言っている様な気がしてならないが、如何であろうか?フェアプレーを心掛けよ。開幕戦でそういう意味合いを込めて判定したならば、いかにも日本人らしいと言えるだろう。