「強行採決」というウソ

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※安全保障関連法案衆議院通過直後の安倍首相。

安全保障関連法案は16日、衆議院を通過した。

《「大変うれしく、ホッとしている」-。16日、安全保障関連法案の衆院通過を見届けた自民党谷垣禎一幹事長は安堵の表情を浮かべた。法案を採決した衆院本会議では、自党からは村上誠一郎元行革担当相と若狭勝衆院議員の2人が体調不良を理由に欠席したが、目立った混乱はなかった。

民主党などは「強行採決」と批判の声を上げているが、菅義偉(すが・よしひで)官房長官は記者会見で「本当に強行採決でしょうか。野党全党が本会議場に入って、自ら政府案に(反対)討論したならば、採決するのが政党としての責務だ」と余裕の反論。政府・与党としては、安保法制をめぐる国会攻防の前半戦は「粛々と運ぶことができた」(谷垣氏)。

ただ、後半戦の参院攻防は波乱含みになりそうだ。

政府・与党は、16日の衆院通過で、参院送付後60日を経ても議決されない場合に衆院で再可決できる「60日ルール」適用の担保を取った。とはいえ、衆参両院で可決して成立させるのが常道だ。自民党は早期審議入りを目指すが、野党は衆院での「強行採決」に反発し、法案を審議する特別委員会の設置すらめどが立っていない。

参院では、「一票の格差」是正に向けた選挙制度改革で、民主・公明両党が異例の共闘関係を結んでいる。自民党も野党4党と公職選挙法改正案を提出する見通しで、「重要法案を2本並行して審議するのは、時間的にも物理的にも難しい」(自民中堅議員)との声も漏れる。》

http://www.sankei.com/politics/news/150716/plt1507160036-n1.html

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※採決前に議場から出ていく野党議員。職務放棄以外の何物でもない。

野党はこの採決を「強行採決だ」などと批判しているが、これに対する官房長官の反論が秀逸過ぎる。

「本当に強行採決でしょうか。野党全党が本会議場に入って、自ら政府案に(反対)討論したならば、採決するのが政党としての責務だ」

…全くその通りである。野党は反対討論をした上で自ら採決を放棄しただけに過ぎない。例えば与党が反対討論を理由にして野党議員を排除して採決したと言うならば野党の言い分に理があると言えるが、勿論そんな事実はない。野党側に理を求めるには無理がある。

そもそも委員会での採決は委員長の職権によるものであった。与党としては定められたルールに従って議事運営をしているに過ぎない。それを強行採決」呼ばわりするならば野党はその根拠、即ち与党側の議事運営にどんな瑕疵があったのか明確にするべきではないか?…とは言っても審議拒否やら採決欠席等議員としての職務を放棄しておいて言える筋合いではないのは確かだろう。

…そう思っていたら共産党志位和夫Twitterでこう述べている。

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「予算や条約と違い、法案に「自然成立」はない。」と言うのは確かにその通りだが、何でまだ審議入りもしていない参議院での採決が「強行採決」になると言えるのか?また衆議院での再可決に言及した行でも何故か「強行再議決」と言っている。既に志位和夫の中では通常の採決であっても与党主導の、自分達の意見が反映されない採決には枕詞として「強行」が付くらしい。狂っていると言うか、頭悪すぎ、と言うか…

強行採決」と言う言葉は「造語」である。採決に当たっては勿論与野党合意で行われるのが望ましい。最初から争点や異論のない法案であればあっさり片は付く。仮に異論があったとしても審議の中で修正されればそれに越した事はない。これらの場合は全会一致か、野党の一部も賛成する為それほど問題にはならないだろう。だが、安全保障関連法案の如く賛成反対がハッキリ分かれて妥協点を見出だせない様なケースも多々ある。この様な場合は委員長の職権で採決の是非が決まるのがルールだが、「強行採決」とはそれに反発する野党が自分達の正当性をアピールする為の言わばプロパガンダ用語であると言えるだろう。そうやって政府与党を貶める位ならば採決に持ち込む為のルール改正を提案する方がよっぽどいい。国会議員の仕事は「立法」なのだからその資格はあるのではないか。

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※「三人寄れば文殊の知恵」…ではなく「船頭多くして船、山に登る」の図。

…結局野党からすれば「自分達に都合の悪い法案の採決」は全て「強行採決」と言って政府与党を貶める構図が出来てしまったのではないか?…だとしたらこれは問題である。同じく政府与党を貶める事に躍起なマスコミにそれがウケない訳がない。そうやって「強行採決「反対意見、少数意見の封殺」「政府与党の言論弾圧「民主主義を破壊し、人権を蹂躙するする政府与党」「やっぱりファシズム」等と際限無く無茶苦茶な拡大解釈・歪曲捏造された偏向報道が蔓延しても何の不思議もない。何処と言わないが朝日新聞東京新聞あたりがそれをやっても筆者は驚かないであろう。安全保障関連法案に成立の目処が立ったのは喜ばしい事ではあるが、そういう火種にも注意が必要だろう。浮かれている場合ではない。

参議院での審議では衆議院では委員を送れなかった次世代の党が賛成派で参加するのは安倍首相としてもプラス材料になるのではないだろうか?次世代の党は安倍首相の補完勢力として もっと重要視されても良い筈だ。賛成派の声がまるで無視されている現状に一石を投じるべく、次世代の党には頑張って貰いたいものだ。

マスコミの偏向報道で安全保障関連法案の意義を正しく理解出来るとは到底思えない。ただ「反対ありき」やマスコミの偏向報道を盲信するのではなく、自分で考え、理解する事が重要なのではないだろうか?強行採決」の様に野党もマスコミも平気で嘘出鱈目を撒き散らしているのが現状である。それに騙されている様では滑稽なだけである。