安倍首相は本当に「売国外交」をやったのか?

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産経新聞号外から

所謂慰安婦問題の妥結なるか?が焦点だった日韓外相会談、妥結するにはしたのだが、その内容は日本を驚愕させるものであったと言って良い。

これには今まで安倍首相を支持していた保守層が猛反発、28日夕方の時点で不肖筆者のFBフレンドによると「外務省に抗議の電話を入れようとしたところ既に回線パンク状態」だったとか。そして不思議な事に今まで安倍首相を批判していた連中がこれを評価するなど奇妙な逆転現象が起こっている。一体誰の為に政治活動や政治的発言をしているのか、改めて浮き彫りになったと言っても良かろう。

…保守層の怒りは凄まじく、「安倍首相をもう支持しない」とか、参議院選挙、勝つ気があるのか?」非難の嵐で安倍首相のFBも炎上状態だとか。記事の文面を見た時点では不肖筆者と言えども同じ思いであった。…それは日本人ならば当然の受け止め方である。
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※その怒りは当然、の識者の方々のコメント。FBより。

著名な識者も同様に様々な媒体でコメントをしているが、その中で不肖筆者が興味深いと感じたのは櫻田淳東洋学園大教授の指摘である。
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※筆者には興味深い指摘であった。

FBで櫻田教授は慰安婦像の撤去について

《「韓国は日本を非難しない」と言う合意に照らし合わせれば、韓国が何をしなければならないかが見えてくる。》

慰安婦慰安婦支援団体の中で反応が割れているようであるけれども、それは韓国政府の仕事の範疇であって、日本が溶解する話ではない。》

と、指摘している。これを踏まえて以下を読みといて頂きたい。
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http://www.sankei.com/politics/news/151229/plt1512290004-n1.html

…ニュースソースにしたこの産経新聞の記事は

「韓国側が合意内容を履行するまで、「最終決着」と受け止めるのは時期尚早」

として、尚も韓国側の動きに警戒感を示している。また、所謂慰安婦問題を泥沼化させ続けてきた挺対協についても

「挺対協は韓国内で政府の対日政策に「拒否権を持つ」(元韓国外務省幹部)という有力圧力団体で、朴政権が押さえ込むことは難しい。」

としている。これは時事通信の記事からだが、
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http://www.jiji.com/jc/zci?g=pol&k=201512/2015122800515&pa=f

の如く慰安婦にも様々な反応があり韓国野党や慰安婦支援団体はこの「合意」に否定的な見解を示している。ポイントはここにあるのではないだろうか?

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※本当に売国外交」だったならば11月の首脳会談までに決着するシナリオはなかったのか?

政府間では確かに合意があった。共同文書にはならなかったが世界中のメディアの面前で尹炳世所謂慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」と言う認識を明言した。恐らく日本政府としては合意の履行に向けて保守層からの批判は止まないだろうが「粛々と」進めて行くのであろう。「日本は合意した以上それを履行する。」世界はそう思っている筈だし、そう思うからこそ国内の保守層が怒りの声を上げているのだ。つまり暗黙の内に「合意が履行される」と言う前提があるのだ。

ところが、である。それはあくまで日本の立場からの話であって韓国の立場を考慮すると様相は一変する。

「挺対協は韓国内で政府の対日政策に「拒否権を持つ」(元韓国外務省幹部)という有力圧力団体で、朴政権が押さえ込むことは難しい。」
産経新聞の記事にあるように、既にこの合意に反発している挺対協を朴槿恵が説得できる保証は何処にもないのである。そもそも挺対協からすればこの合意は自分達の存在価値を失う事を意味する。更に連中が日本に求めている「強制性」や「法的責任」はこの合意から読み取れない。それに政府間合意だからと言って説得出来る手合いの連中ならば最初からこうなってはいまい。韓国政府が反発する挺対協の説得に失敗する、と言う可能性は極めて高いのである。
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※出鱈目慰安婦像の関連年表。

また連中が設置した日本大使館前の慰安婦像は実は無許可設置の代物であると言う。そもそもこれは「大使館の平静を担保する義務を負う」ウィーン条約の規定に抵触しているのだからそれらの理由で本来ならば韓国政府が公権力で問答無用に撤去出来る代物なのだ。岸田外相はこれについて

「適切に移転されるものと認識している」

と発言している。それも「合意の趣旨に鑑みて」である。と、なると「仮に」韓国政府がこの慰安婦像を撤去出来ない、更にこの場所で毎週水曜に行われる反日デモが継続されるのであれば、「日本に何ら落ち度なく韓国側が一方的に合意の前提を崩した」と言う形になるのである。そしてそうなる可能性は朴槿恵政権が挺対協を押さえ込むのは難しい」以上高いと考えて差し支えないのであろう。以下は不肖筆者の「推測」ではあるのだが、

「安倍首相が《如何なる合意でも韓国側が一方的にその合意の前提を崩す事態が発生する》事を前提に今回の合意を了解した」のだとすれば…?

…だとすれば状況はガラリ一変する。「日本は合意を履行すべく準備をしていたが、韓国は日本に何ら落ち度がないのにその合意の前提を崩してしまった」と言う状況が発生すれば日本側から「合意の白紙化」を切り出せる事になる。そしてその場合、責任は100%韓国側にある為、合意を評価している日本国内の連中はおろか、世界も日本を批判出来ないだろう。そしてそうなれば今度は日本が一方的に韓国に対して「攻勢に出る」事も可能なのである。そうなれば今までの分に相当の「のし」を付けて返してやるのが相当であろう。不肖筆者としては「深読みが過ぎる」のかも知れない。だが、もし安倍首相の深謀がそこまで及んでいたとすれば…恐るべし、であるのは間違いないだろう。それならば「10億円の空手形」など実に巧妙な仕掛け、と言う事になる。是非ともそうなって貰いたいものだ。
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※「急がば回れ」「一歩退却二歩前進」…なのか?それとも…?

…拙ブログを御覧の読者様の中には先日書籍にもなった「余命三年時事日記」を書籍だけではなく、ブログも御覧になっている読者様も少なからずいるであろう。このブログの記事の正確さには畏れ入るが、ブログ内に記されている安倍首相の「日本再生計画」や掲げている「日本を取り戻す」と言うスローガンの真意を御存知であれば安倍首相が韓国をどう思っているかは容易に想像出来るであろう。不肖筆者にはそう言う本音を押し殺してまで国益を棄損する外交を安倍首相が行う、とは到底思えないのである。…例えアメリカの圧力があったとしても。

この合意がそのまま履行されるのであれば、無論不肖筆者としても大反対である。だが、こういう可能性があるのであればそれを待ってみるのも一興ではないだろうか?そうなる事を期待して不肖筆者は今暫く事態を静観してみようと思う。
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※安倍首相がこう言うシーンがあれば、正に「神対応」と言えるかも知れない…