日本の誇り!113番元素の命名権獲得。

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※これは理研を素直に称賛するべき。

年末年始に素晴らしいニュースが飛び込んできた!

理研が合成した原子番号113番の元素が新元素と国際的に認定され、命名権を獲得したのだ。勿論日本初、と言うかアジア初の快挙である。それも同じく113番元素の命名権を争っていた米露共同チームを退けての快挙である。初の実験成功からここに至るまで10年かかった。「科学の新発見」とはそれだけ根気のいる事なのでもある。これは日本の科学技術力の証明でもあると共にSTAP細胞問題で信用を失った理研の「汚名返上」であるとも言える。「二位じゃダメ」なのである。不肖筆者としても素直に理研の快挙に称賛の意を示したい。
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http://www.sankei.com/smp/life/news/151231/lif1512310017-s.html?pdm_ref=rna
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命名されたら即教科書の書き換え
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アルファ崩壊の様子を図解


その方法とは加速器を使って亜鉛ビスマスに高速で衝突させる」事で合成させるのだそうだが、そうやって出来る113番元素の寿命は僅か10000分の7秒程度しかないのだと言う。

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※この合成では6回アルファ崩壊が起きる。それも一瞬のうちに。

元素の種類は原子核を構成する陽子の数で決まるが、陽子や中性子が多いと原子核自身の重みで不安定になる。それ故原子核が自壊してしまい、安定化するまで原子核の崩壊を繰り返して安定して存在できる元素になるまで変化し続ける。これがアルファ崩壊と呼ばれる現象であり、この際にアルファ線」と呼ばれる放射線を放出する。これも核分裂の一種であり、それ故この113番元素は放射性物質でもある。

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放射線の性質によって防護方法も異なる。

…因みに現在発見されている元素には自然界に存在するものと人工的に合成されて出来た元素がある。自然界に存在する元素で一番重いのはウランであるが、それより重い元素は全て人工元素であり、上記の様な理由で悉く放射性物質でもある。…とは言えアルファ線と言う放射線はエネルギーが大きい為、被曝すればその分影響も甚大ではあるがガンマ線中性子線と違って透過性は皆無に等しく紙切れ一枚で余裕で遮断出来る。大気中でも射程距離数センチしかない為、素手アルファ崩壊する放射性物質に触れると言った非常識かつ無謀な事さえしなければ普通に生活している限りこれに被曝する事はまずありえない。…余談だが「電子を放出する」ベータ崩壊の場合はアルミなどの薄い金属板があれば充分防げる。問題は透過性の高いガンマ線中性子線なのだが、要は放射線」と言っても色々な種類があり、性質も各々異なる。福島原発事故を受けて「放射線の影響」が取り沙汰されているが、こういう放射線の種類や性質について知識を持っておく事も重要な事であると言える。

さて、気になる113番元素の命名だが、「ジャポニウム」が有力とされている。現在見つかっていたり、合成された元素に「J」で始まる元素名はない。他にも「ジャパニウム」とかニッポニウムと言うのも候補に挙げられていると言う。

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※小川正孝。明治の時点で科学技術は欧米に匹敵していたのだが…

ニッポニウム」とは1908年に日本の化学者、小川正孝が発見した、とされた当時未発見だった43番元素に付けられた名前でもある。しかし、その後発見は「幻」となり、小川正孝の功績も「幻」になってしまったが、その43番元素テクネチウムが発見されたのは1936年の事だ。(これが初の人工元素)しかし現在では小川正孝がこの時新元素を発見していたのは間違いないとされている。ただしそれは実際には75番元素レニウムであった。しかしそれを43番元素としてしまったのが間違いの元で大漁を逃してしまったのだ。実に惜しい事ではあるがそのリベンジとして命名するのも悪い話ではなだろう。

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※「ジャパニウム」を巡る戦いだった。

「ジャパニウム」とはマジンガーZ」に登場する架空の物質の名前である。何故か富士山麓にしか存在しないらしく、コレから「超合金Z」が精製される、と言う設定だった。映画やアニメに登場する物の名前を現実世界で命名するのは恐竜「ゴジラサウルス」や古代カメ「シネミス・ガメラ」の様な例があるのでそれほど狂った発想ではないだろう。が、映画やアニメのイメージで見てかかると夢をぶち壊されかねない、そしてそういうイメージ先行に陥る危険があるのもまた事実でもある。ゴジラサウルス」は決して不死身の恐竜ではないし、「シネミス・ガメラ」も甲羅に頭や手足を引っ込めて空を飛んだりはしなかっただろう。勿論この113番元素に「ジャパニウム」と命名してもこれから「超合金Z」を精製する事は残念ながら不可能である。

理研がどの様な命名をするのかは注目だが、候補にある名前は各々魅力がある。理研には是非とも「日本の誇り」を象徴する命名をお願いしたいものだ。そして日本人の地道な努力は世界に通用するのだ。明治日本の精神は形を変えて今でも日本人の心に根付いている。
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※当然ながら日本の誇りである。