福井県で新種の恐竜発見!

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※祝・新種の恐竜発見!

福井県で新たに発見された恐竜の化石が新種と判明したそうだ。
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http://www.sankei.com/west/news/160226/wst1602260077-n1.html

これにより日本国内で発見され、新種として学名が付いた恐竜は7種目、その内福井県だけで5種目、獣脚類では2種目となる。
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※これまでに新種と認められた日本産の恐竜。その他に発見当時日本領だった樺太で発見された「ニッポノサウルス」もいる。

この化石は07年8月に勝山市北谷町白亜紀前期(約1億2千万年前)の地層から約160点が見つかっていた。同一個体の全身骨格の7割が揃っていたそうで、全長2・45メートル、体重25キロと推定される模様だ。大きさの割には体重は軽いと言える。…が、どうやらまだ成体ではないらしく、実際に成体がどこまで大きくなるかは不明である。

化石骨格の特徴などから獣脚類の中でも鳥へと進化した「コエルロサウルス類」の中でも原始的な部類になる「マニラプトル形類」に属すると考えられている様だ。従ってこの恐竜が「羽毛」を持っていたのはまず間違いあるまい。

しかし、最大の特徴は内耳の聴力をつかさどる器官が発達し、現代の鳥類に匹敵する程の聴力があったと推定されている事であろう。また肉食の多くの獣脚類が持つギザギザした「鋸歯」がなく、円錐形の歯であった事が「新種として」判断する決定打になったと言う。…円錐形の歯と言えばスピノサウルスも似た形状の歯を持っていた。もしかしたら魚食性の恐竜だったのだろうか?また雑食だったのではないかとも考えられてもいる。
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※恐竜の歯。大きいのはティラノサウルスの、右上はアルバートサウルスの、右下はスピノサウルスの歯である。

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※フクイベナトール・パラドクサスの推定復元模型。製作した荒木一成氏はこの道の第一人者である。

どうも外見は原始的な特徴を持ちつつ、体の内部は進化した特徴を持っている恐竜らしい。そんな所から

「フクイベナトール・パラドクサス」

命名され、福井県立恐竜博物館で化石は展示されると言う事だ。機会があったら是非とも見に行きたいものである。

学名の意味は「逆説的な福井の狩人」と言う意味になる。

現生鳥類が恐竜から進化した、というのは現在ではほぼ確実、とされている。しかし、その進化の過程はまだ多くの謎に包まれている。だが「フクイベナトール」がその謎に迫りうる発見になる可能性は高いと言えるだろう。また何故他の恐竜に対して優れた聴覚を持っていたのか?この恐竜がそれだけの聴力を必要とする理由があった筈だ。獲物や敵の存在を音で察知していたのか?それとも夜行性だったのか?…など色々考えられるが、現生鳥類の聴覚の研究もヒントになるかも知れない。「恐竜が進化して鳥になった」のであれば鳥の能力や習性に恐竜のそれの名残がある可能性もあるからだ。

論文を執筆した一人である福井県立恐竜博物館の東洋一特別館長

「鳥の起源といわれるコエルロサウルス類の進化の理解に大きく貢献する」
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※日本での恐竜化石産地と特に発見の多い福井県の図。

とコメントしている。以前は「日本には恐竜は殆どいなかった」とまで言う人もいたが、日本海側、特に福井県の「手取層」と呼ばれる地層では恐竜の化石が発見される事が多く、日本にも独自の進化を遂げた恐竜の世界があったのはまず間違いないだろう。恐竜研究はアメリカやヨーロッパが最先端にいるが、日本で発見された恐竜がそれまでの教科書を書き換えさせる大発見、なんて事もあるかも知れない。そんな日が来る事を楽しみにしたいものである。