シジュウカラは文章を認識出来ると日本の研究者が発見

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シジュウカラの鳴き声、人間の言語の「文章」に相当するものがあると言う。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160309-00000006-jij-sctch

人間の場合、如何なる言語であれ、単語の羅列だけでは相手に正確に意味が伝わらない事が十分にあり得る。当然ながらその言語に存在する「文法」を用いて自身の意志を相手に正確に伝える事になる。

これと同様の事をシジュウカラが行っていることが総合研究大学院大の鈴木俊貴研究員が発見したそうだ。人間に一番近い動物とされているチンパンジーでさえこの能力は確認されていないと言うから、驚きであると言えるだろう。

声でコミュニケーションを取り合う事の出来る動物は沢山いる。クジラやイルカなどもそういう事が出来ると聞いたことがある。猫も親子では会話をしていると聞いたことがある。人間がそれらの声の意味を完全に解明している訳ではないが、シジュウカラの場合、危険を仲間に伝える「ピーツピ」という甲高い鳴き声、仲間を集める「ジジジジ」という濁った声など幾つかの鳴き声を使い分けているそうだ。

鈴木研究員は野生のシジュウカラがこれら二つの「単語」とも呼べる鳴き声を組み合わせ、仲間を集めて天敵を追い払う行動が見られた事に気付いて、録音した鳴き声でシジュウカラの反応を調べたそうだ。

まず、警戒(ピーツピ)と集合(ジジジジ)を別々に聴かせると、周囲を見回したり、スピーカーに接近したりするなど「単語」の意味に応じた行動が見られたと言う。そして二つを組み合わせた鳴き声(ピーツピ・ジジジジ)を聞かせると、シジュウカラは周囲を警戒しつつスピーカーに接近したそうだ。
 
しかし、順番を入れ替えた鳴き声(ジジジジ・ピーツピ)では、シジュウカラは警戒も接近もしなかったそうだ。シジュウカラ語でも声の主が何を言っているのか理解出来なかったのだろうか?結果としてこれらの反応からシジュウカラが自身が聞いた鳴き声を「単語」の意味だけでなく、語順も含めた「文」として認識していると判断したとの事だ。

鈴木研究員は

「他の音の組み合わせの意味や、この能力が学習によるものか、生まれつきなのかなどを調べたい」

とコメントしており、もしかしたら近い将来シジュウカラ語が解明されるかも知れない。

それにしても鳥類の脳味噌と言うのも侮れない。鳥類で最も利口なのはカラスだと聞いた事があるが、カラスも自身に危険を及ぼした存在の情報を仲間に伝えて情報を共有出来るそうだ。不肖筆者の経験則から言うと鳩や雀からも似た様な事を感じる事がある。鳥類の知能は人間が思っている以上に高度なものなのかも知れない。