所謂慰安婦問題、日本が10億円拠出した意味
所謂慰安婦問題での日韓合意を受けて先月末に日本政府は韓国の慰安婦支援財団「和解・癒し財団」に10億円を拠出した。これで日本側としては合意の責任は全て果たした事になる。相手が国連だろうが何であろうが非難される理由は最早一切ない。
しかし、一方の韓国側はそうでもない様だ。
8月29日にソウル市内の「韓国統監官邸」の跡地に造成していた公園「記憶の場」が完成し、記念式典が行われた。公園は「慰安婦問題を後世に伝えるため」のものというが、ソウル市長朴元淳や市民団体など関係者、元慰安婦らが式典で語った言葉は、日本との合意を否定する内容だった。
朴元淳は
「日本はドイツのように誠意ある謝罪や反省に立った賠償、再発防止策を取っていない」
「それどころか、軍国主義復活を予告する動きを見せている」
等と意味不明の独自の見解を披露し、更に市民団体の幹部は
「日本が追い払おうとする少女像（慰安婦像）を隠す所ではない」
と訴えたと言う。また、元慰安婦の女性も日本大使館前の像の撤去を
「受け入れない」
と、主張しているが、全ては日本政府の拠出した10億円で終わっている。韓国政府としては合意を遵守、と言うのが当然だがそれに連中がどう反発しようがそれはあくまで「韓国内の問題」であり、最早日本には関係ない。永遠に自分達の狭い井の中で無意味で醜い論争を繰り広げているがいい。
また韓国国会では左派系野党、正義党の議員が8月30日、韓国政府に対し、日本政府からの10億円の拠出金の受け取り拒否と、日本大使館前の慰安婦像を撤去しないよう求める決議案を最大野党「共に民主党」と第２野党「国民の党」の所属議員を含む26人の連名で国会に提出したのだ。
決議案は日韓合意を、
「両国外相会談の結果を口頭で発表したもので、国会の同意も政府代表の署名もない」
とし、「合意は無効」と断じた。さらに、日本政府が求め続けている慰安婦像の撤去を、
「歴史を歪曲し、戦争犯罪の責任を逃れようとするものだ」
と、しているが、例え口頭での発表でも、署名がなくても、国会の批准がなくても、既に記者会見して世界中に発信されてしまっているのだ。その上でアメリカはじめ各国から合意を歓迎する旨のコメントまで出ている。そういう状況下で今更そんな事が言える筋合いの物ではない事は明白だが、韓国の国会議員にはそういう理解はないらしい。この決議案が可決された所で世界から白眼視されるだけの結果しか生まないが、そういう理解もないようだ。こんな程度の脳味噌で一国の政治を動かすのだから韓国が国として傾くのも当然予想できる範疇だと言える。
また、例の出鱈目慰安婦像については日本政府は「公館の安寧・威厳の維持の観点から懸念している」のであって、韓国側も合意に則れば「それを認識」している。日本側の「懸念」は公館の安寧・威厳の維持を保障したウィーン条約上の観点からである。勿論そこに所謂慰安婦問題は一切関係ない。如何なる事情や理由があろうが、日本大使館前の慰安婦像の問題は「所謂慰安婦問題」ではなく「ウィーン条約上の問題」である。撤去しないのは韓国が国際法を守れない事を証明する結果しか生まない。対外的にはマイナスにしかならないが、そういう理解も出来ないのでは話にならないが、韓国の政治家にそれを求めるのは野暮なのだろう。
韓国側がこの様な対応をしてくれているお陰で今度は日本が所謂慰安婦問題で韓国に対して攻勢に出られるのだ。…しかも反論される事なく。その時こそこれまで韓国がしてきた事に数倍の「のし」を付けて返してやるべきなのである。
