もうひとつの「現首相VS元首相」

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※上告などするだけ無駄だが…

福島第一原発事故の対応を巡り、安倍首相が自身のメルマガで虚偽の内容を配信した、として菅直人が安倍首相を訴えていた「現首相VS元首相」の裁判、高裁判決でも一審同様、問題のメルマガの記事の内容を

「記事の主要部分は真実で、公益性があった」

として訴えを退けた。
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※争点はこのメルマガの記事の真実の是非だった。
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※安倍首相のメルマガは同様の内容を伝える新聞記事より早かった。
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http://www.sankei.com/affairs/news/160929/afr1609290022-n1.html

菅直人
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と、コメントし、上告する意向を明らかにしているが、まず間違いなく「上告理由なし」で、却下されるだろう。一方の安倍首相は
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と、コメントしている。

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菅直人は海水注入中断の指示を出したのは「東電の武黒フェロー」と名指ししているが当時東電がそういう判断になったのは

「そうは言ってもないと言っていた水素爆発が起きたじゃないか」

と言う菅直人の発言が引き金になった様なのだ。…尤も当時の福島第一原発の故吉田元所長の英断で指示に反して海水注入は継続され、それがカタストロフィを回避する事になったのだが…

…だとすると確かに菅直人は直接指示はしていないのかも知れないが、結果的に、そして間接的に東電をそういう判断に導いた、と言う指摘はあながち間違ってはいない、とも言える。そういう意味では安倍首相が当時

「3月12日の海水注入は菅氏が決定したとされているが、実際には注入は菅氏の指示で中断されていた。しかし側近は『注入は菅氏の英断』とする嘘をメディアに流した」

と判断しても全くの嘘出鱈目とまでは言えない事になる。

地裁判決でも

「記事は海水注入が継続されていたことが判明する以前に発信されていた」

と、指摘し、また

「注入を中断させかねない振る舞いが菅氏にあったこと、(実際には東電が決めた)海水注入を菅氏が決めたという虚偽の事実を海江田万里経済産業相(当時)ら側近が流したことなど記事は重要な部分で真実だった」

と認定し、高裁判決でも踏襲された。最高裁では基本的には事実認定の是非は争われないので「事実認定」についてはこれで決着した、と見て良いだろう。つまり、福島第一原発事故で「海水注入を止めた菅直人の英断」は虚構である、と言うことだ。

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※アンタも言える立場じゃないだろうに。

「海水注入に当たってどのようなことを考えなければならないか、そういった議論がありまして、私の方からいわゆる再臨界という課題も、私にもありました」

平成23年5月の衆院震災復興特別委員会で菅直人はこう答弁している。また別の日には

「海水を注入したときのいろいろな可能性の問題を検討するのは当然じゃないですか。水素爆発の可能性、水蒸気爆発の可能性、再臨界の可能性、そして塩が入ることによるいろいろな影響」

「私としては、海水注入はやるべきだけれども、それに伴っていろいろなことがあるとしたら、そのことはちゃんと専門家の中で検討してください、そういう趣旨で一貫して申し上げたわけで」

何のことはない。菅直人自身がは海水注入による再臨界を懸念し、再検討を指示したことを国会で明確に認めている。つまり安倍首相に対する訴訟は「自身に都合の悪い言論を封殺する」目的の「恫喝訴訟」だと言っても差し支えないのである。
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※「政界から消える」事が最大の反省なのだが…?

「菅さんも菅さんで、自ら(海水注入による)再臨界の懸念を口にしたかどうかについて、国会答弁で認めたり認めなかったり二転三転した挙句に、最後は否定しています。当初は、私のせいにしていましたが、国会事故調の公開の聴取では、東電の武黒さん(一郎・東電フェロー)が勝手に現場に指示したことだ、とも言っています。(中略)菅さんと経産官僚は、自己弁護が過ぎるようです」

事故当時の班目春樹・原子力安全委員長はこう述べている。菅直人が何を言っても真実は隠す事は出来ない。自己弁護はやめにして真実を自分の口で語って非を認めた方がマシだが、それを菅直人が理解することはないのだろう。憐れむしかないと共にこういう人間を間違っても首相にしてはならない、それを見抜く目が国民に求められるのである。
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菅直人には実践できない精神。