韓国の「ノーベル賞狂騒曲」

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※今年も日本人の受賞は期待できる。

毎年10月にはその年のノーベル賞受賞者が発表される。今年も日本人の有力候補は多い。一人でも多くの受賞者が出る事を願うばかりである。

自国民にノーベル賞候補がいるとなればその候補にノーベル賞受賞を期待するのは当然の成り行きかもしれない。メディアが候補を持ち上げてそういうムードを作るのも別段悪い事ではないだろう。…だがそれはあくまでもノーベル賞の意義を理解していれば、の話であって、某国の様にノーベル賞の意義もロクに理解せず「狂騒曲」を繰り返しているのでは話になるまい。
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http://www.sankei.com/west/news/161002/wst1610020012-n1.html

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※世界的には必然。そして唯一の平和賞も「カネで買った」に等しい。

韓国ではこの時期、ノーベル賞関連でメディアの狂騒曲が繰り広げられる。毎年恒例の「煽るだけ煽って受賞者ゼロ」で韓国メディアは嘆き、悲しみ、怒り、的外れの批判を選考者にぶつけたり、自国政府を批判したり、原因分析や今後の展望をアレコレ勝手に繰り広げるのは「御約束」である。

原因は明白だ。ノーベル賞の自然科学分野で韓国人の受賞例はないが、日本人は昨年までに21人が受賞している。それが韓国にとって屈辱であり、コンプレックスなのだ。勿論「韓国は日本より優れている」と言う妄想の産物でしかないのだが、韓国人にそれを知る術はない。

韓国メディアでは既に「(ノーベル賞を)強要する風土をなくすべき」と予防線を張る論調が出る一方で、「企業家精神を基盤とした科学が成功をもたらす」と研究者に注文をつけている。研究成果の実用化が受賞につながるという考え方なのだが…

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※だからアインシュタイン相対性理論ではなく、光電効果の研究でノーベル賞を受賞した。

そもそもノーベル賞「前年に人類のために最大たる貢献をした人々に(ノーベルの遺産の運用利子を)分配されるものとする」と言うノーベルの遺言に基づいて創設されたものである。故にノーベル賞の対象になる研究、発見、発明は「人類共通の財産となる」事が前提である。自然科学分野でノーベル賞は「最高の栄誉」とされているが、研究者はノーベル賞受賞を目標に研究している訳ではない。研究者各々の目標に向かっている途中での発見、発明、またはその研究その物に対して授与されるものである。韓国人は恐らく世界で唯一その基本を知らないのだろうが、それを理解しない限り何も変わるものではあるまい。

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※韓国のノーベル賞に対する異常な執着の象徴。

ハーバード大物理学科のキム・フィリップ教授は

「最近、韓国の科学界を眺めると否定的評価が多いが、これは外側から見れば間違った話」

「すべての科学先進国が少なくとも50~100年の歳月をかけて発展した。科学の真の発展には時間が必要だ」

と指摘する。彼自身、韓国人で最も有力なノーベル賞候補としてメディアの注目を集めたが、ほぼ同時期にグラフェン(宇宙船の開発に有力な素材。物理的にもとても強く、世界で最も引っ張りに強く、熱伝導も世界で最も良いとされ、電気の伝導度もトップクラスに良い物質とされている)を発見した英国の研究者2人が2010年の物理学賞を受賞した。韓国国民の失望は大きく、韓国メディアが

「選考委員会のミスで韓国人初のノーベル賞受賞がだめになった」

と大々的に報じた事は言うまでもない。またキム教授は

「スポーツ選手にいつ頃オリンピックで金メダルを取るかと尋ねることがふさわしくないように、研究者にノーベル賞を強要しないほうがいい」

と言う。要するに韓国人はノーベル賞とオリンピックの金メダルの区別も付かないのだ。これではノーベル賞受賞者が出ないのも無理はない。

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※オリンピックの金メダルとは意味が違う。

そんな中、英科学専門誌ネイチャーが6月、韓国で自然科学分野の受賞者が出ない背景を特集記事で分析し、研究開発についてGDP比で世界最大級の投資を行う韓国政府

「(ノーベル賞を目指すならば)カネより大事なものがある」

と批判したと言う。韓国メディアもこれに同調し、

「野望はカネで実現するものではない」

と政府を批判するメディアも出たと言う。さらにネイチャーは韓国が受賞者を輩出できない理由を基礎研究に対する長期的投資にケチなためだとも分析。

「基礎科学分野で独歩的な成果を出すには数十年間長期的に多くの投資をするべきなのに、韓国は遠くを見通した投資文化が成熟していない」

と、切り捨てている。政府が研究援助を行うのは結構だが基礎を疎かにして「最高の栄誉」に与れる筈がない。日本に目が向いて焦っているのか、韓国は自国の研究者がノーベル賞を受賞出来るようにする援助の方向を根底から間違っているとしか言い様がない。ネイチャーがここまで懇切丁寧に指摘しているのに理解しないのであればこの国に救いはないであろう。

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ノーベル賞が欲しいなら先ずは足元からなのだが…


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※ここまでご執心とは…

中央日報(電子版)は「ノーベル賞の話」というタイトルのコラムを定期的に掲載している。8月30日掲載のコラム過去10年間の医学生理学賞と化学賞の受賞者計49人のその後の業績・行動などをブルームバーグのサイトで追跡調査した結果を論じている。

それによれば、各分野で半数以上の受賞者が企業の創業者や理事、研究員といった形で、研究成果の事業化に取り組んでいると言う。それらを踏まえて

「過去20年余り、科学は産業と市場にインパクトを与えられる研究に力点を置いて発展してきた。『基礎研究』と『実用』のすき間が事実上無くなった」

と指摘する。が、まだ韓国ではこの2つが「相反する概念」と、とらえられているようだ。韓国の一部の大学教授は

「科学の実用化・事業化は研究の本来の目的でない」

と反論しているという。

コラムを書いたソウル大のキム・ソニョン教授は、大学や研究機関、研究者を「世俗を離れて気高く身を保っている」とし、「『象牙の塔』のフレームに閉じ込められている」と指摘、そして

「企業家精神を基盤とした科学が成功をもたらす場合、それは結果的に『基礎科学』『基礎研究』の活性化につながる可能性がある」

と強調する。ごもっともな指摘だが、韓国人の多くはこれを理解出来ないようだ。それこそ韓国人に自然科学分野でのノーベル賞受賞レベルの研究者が出ない根本的な原因なのだろう。だがそれをもっとも理解していないのは当の韓国人である。必然なのか皮肉なのか?
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※やはり先ずは「生まれ変わってから」なのだろう。