西郷どんや新撰組は「英霊」になれるのか?

イメージ 1
靖国神社には国家の為に命を落とした全ての人々が祀られるべきであろう。

これはこれで興味深い提案と言えるだろう。

イメージ 2
http://www.sankei.com/politics/news/161008/plt1610080007-n1.html

亀井静香石原慎太郎と言った面々が呼び掛け人となり、西南戦争で倒れた西郷隆盛戊辰戦争で敗れた幕府、会津藩など「『賊軍』とされた戦没者靖国神社に合祀するよう求める会」を立ち上げ、近く徳川康久宮司に申し入れるのだと言う。申し入れ趣意書では西郷や佐賀の乱江藤新平会津藩の白虎隊、新選組など、「『賊軍』と称された方々も、近代日本のために志をもって行動した」と評価したうえで

「過去の内戦においてお亡くなりになった全ての御霊を合祀願う」

としているのだと言う。
イメージ 3
※立場は違えど国家国民の為だった事は間違いない。

言い出しっぺの個人的な好き嫌いはさておき、その趣旨は不肖筆者も賛同できるものである。戊辰戦争会津藩新撰組が「官軍」に抵抗したり、江藤新平西郷隆盛が政府に不平不満のある士族による反乱の中心的立ち位置にいたのは紛れもない事実だ。だが、彼等が政府に楯突いた「罪人」「逆賊」のまま今に至っている訳ではなく、彼等の「罪」は政府によって赦されており、その名誉は回復されているのである。また、幕末期において「尊皇」という思想は何も志士の専売特許ではなく、当時立場に関係なく「尊皇思想を持っていない者など皆無」と言っても間違いない程「当たり前」の事だった。その意味では戊辰戦争で命を落とした全員が「国家の為に命を捧げた」と言っても間違いではないと言えるだろう。
イメージ 4
※果たして西郷どんは英霊になれるのか?

維新三傑」に数えられる西郷隆盛は言うに及ばず、江藤新平だって司法卿として日本が近代において「法治国家」になる礎を築いた人物である。また警察制度の導入にも貢献し、明治初期に「写真付き手配書」が導入されたのも彼の功績である。…もっとも皮肉な事に本人がその適用第一号になってしまったが。
イメージ 5
江藤新平が近代国家構築に残した功績は大きい。
イメージ 6
新撰組も英霊になれるのか?
イメージ 7
※「戦死」した副長は英霊になれそう?

…とは言え、この申し入れに問題がない訳ではなく、「戦死」とは言えない「刑死」でその生涯を終えた江藤新平近藤勇靖国神社に合祀される資格があるのか?とか、「自刃」とされる西郷隆盛や白虎隊はどうなのか?とか、議論を呼びそうな所もあるが、東京裁判で「死刑判決」にされた人々も合祀されているのだから、東条英機が良くて江藤新平がダメ」とは考えにくい、と個人的には思える。何れにしても最終的には靖国神社が判断する事であり、その判断に口を差し挟むのは如何?とも思うが、議論そのものはあっても良いと思う。
イメージ 8
※「負け犬の遠吠え」では片付かない真理でもある。

だが、最も特筆すべきはこの会のメンバーに村山富市の名前がある事であろう。申し入れ書には天皇陛下靖国神社参拝についても「国家安寧のために必須と信ずる」と記しているというのにも関わらず、である。村山富市の様な左翼から見れば靖国神社は「戦犯を祀り、侵略戦争を美化する」神社ではなかったのか?戊辰戦争で命を落とした人々なら「逆賊」とされた旧幕臣や「反乱」を起こした人物でも合祀されても問題ないが、大東亜戦争で命を落とした人々が合祀されているのは問題だと言うならそれは明らかなダブルスタンダードだ。それ以前に村山談話大東亜戦争を「侵略戦争」としてこの戦争で命を落とした人々を貶めた張本人に靖国神社について語って欲しくはない。それこそ英霊への侮辱ではあるまいか?
イメージ 9
※こんな事言っておいてどの口で賛同しているのか疑問がある。

だが、村山富市の名前がある事は「靖国神社を批判する左翼の主張が如何に根拠のない御都合主義であるか」と言う証明にもなる。村山富市がどういう思いでこの会に名前を連ねたのか?その真意は不明だが、そういう思いが少しでも本気であると言うならば村山富市靖国神社を参拝して行動で示すべきである事は言うまでもない。それがこれから問われる事になるのである。
イメージ 10
※…と、言われない様、村山富市靖国神社を参拝するべきだ。