永楽帝気取りの習近平

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※一体何を考えているのやら…?

最早その言動が理解不能の域に達しつつあるフィリピン大統領ドゥテルテ。支那を訪問して習近平と会談したはいいが、「米国との訣別」を言い出したり、支那からの支援を引き出したはいいが、焦点の南シナ海問題では「共同管理」で合意した、とされる。事実上7月の国際仲裁裁判所判決を棚上げした支那の望む形で、この問題で譲歩でもしていようものなら国内からの猛反発は必至、それどころか弾劾対象にもなりうる、と言うから危険な橋を渡るものだ。
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※狐と狸の化かし合い…なのか?

ドゥテルテの狙いは全く読めないが、米国と支那の間を上手く立ち回って自国の国益を追求する狙いなら「フィリピンの朴槿恵、また何の打算もなくその場の思い付きで発言しているのであれば「フィリピンの鳩山由紀夫みたいなものでしかない。「フィリピンのトランプ」どころの騒ぎではないだろう。

この困った大統領は来週には日本にもやって来ると言う。ドゥテルテの反米姿勢で安倍首相のアジア政策、とりわけ支那包囲網」にも影響は必至だが、安倍首相はどう対応するのか?

だが、ここで取り上げたいのはドゥテルテの言動、と言うよりドゥテルテの支那訪問を伝える支那の姿勢である。
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http://www.sankei.com/world/news/161021/wor1610210040-n1.html

産経新聞によれば習近平は両国の交流行事として、15世紀のフィリピン諸島に栄えた「スールー王国」の明朝への朝貢から600年の記念活動を来年実施する考えを伝えたのだと言う。
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鄭和はこれだけの大航海をして諸国に明への服属を要求した。
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※皇帝気取りなんてする器ではないだろう。

かつて明の永楽帝は、「鄭和の南海遠征」などを通じ、アジアの国々に朝貢を促した。スールー王国からは3人の王が1417年に北京を訪れ、宝玉などを献納して明帝から冊封されたのだそうだが、言うまでもなく冊封」とは明帝に服属する事で自身の地位と支配権を保障される体制だ。産経新聞によれば新華社通信は、首脳会談の記事で「朝貢」との表現を避けたが、「スールー王の初訪問」「600年前の首脳外交」などとして、両国の長い交流を強調したが、「『スールー王国』の明朝への朝貢から600年の記念活動をする」と言う時点で習近平支那共産党がフィリピンをどう見ているかが透けて見える。「明の永楽帝」と言えば明朝の最大勢力を築いた皇帝である。それを持ち出す、と言う事は習近平は自らを永楽帝に準えていると言う解釈も出来るだろう。鄭和の南海遠征」の航路を見れば明らかな様に南シナ海どころかインド洋までその野望は向いているのだろう。鄭和がかつて訪れ、明に朝貢させた地域はその内「歴史的に自国領」とか言い出しかねない。
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※ドゥテルテにはどう対応するつもりなのか?

そうでなくてもドゥテルテに対する姿勢は実に傲慢としか言い様のない態度でしかないが、ドゥテルテはそれを理解しているのだろうか?理解した上で習近平を手玉に取ろうと言うならその度胸「だけ」は評価出来なくもないが、米国と訣別して自力でそれをやろうと言うなら「無謀」以外の何物でもなかろう。それは朴槿恵が既に十分に証明しているがドゥテルテはそれをどう見ているのか?そして安倍首相はこの困った大統領にどう対応するつもりなのか?安倍首相の外交力の見せ所であると共に、南シナ海問題での正念場にもなりそうだ。
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※ドゥテルテはこうならなければいいが…?