国会「忖度」ゲーム
※「忖度」に拘りすぎだろう。
森友学園問題に絡んで「忖度」と言う言葉をよく見かける様になった。例えば
※流行語大賞のフラグ…
の様に与野党問わず用いられており、この問題の「キーワード」と言う声も上がる中で大阪府知事の松井一郎からこんな発言が飛び出した。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170325-00000004-wordleaf-pol&pos=5
※「忖度」の有無より法的問題の有無が重要なのだが…
松井一郎は25日に行われた維新の党大会で
「国会で政治ショーが行われている」
「(憲法改正や外交、テロ等準備罪など)大事な問題が議論されない」
「証人喚問で問題のポイントはだいたい整理できたのではないか。これに絡む贈収賄の問題じゃないことははっきりした」
と、指摘。それはその通りだと言えるが、
「油を注いでいるのは皮肉にも安倍首相。忖度はないと強弁しすぎる」
「忖度には、悪い忖度といい忖度がある」
と言ったのは如何なものか?
「忖度」とは辞書によれば
と言う意味である。従って
「森友学園問題で学園側の要望が通る形で事が進んだのは安倍首相の意向を財務省職員が忖度した」
事が問題だと言うのであれば、実際に「忖度し、実行した」財務省担当者の責任問題と考えるべきであろう。「忖度」と言うのはその意味から実行者の「推量」が前提になるからだ。「忖度」された側に責任を求めるのは無理がありすぎる。また安倍首相がその意向を公然に示してそれが実行されたのであればそれは最早「忖度」どころか「関与」と言うべきである。仮に森友学園問題でそれらの「忖度」があったとしてもその「忖度」が正しかったのかどうかは別問題となるし、「それがあった」事を当事者以外が証明するのは困難である。逆に「忖度がなかった」事を証明するのは極めて困難、と言うより限りなく不可能に近く、それ故に安倍首相を貶めたい野党の「口撃」にはもってこいの材料になる。森友学園問題で「忖度」と言う言葉ががクローズアップされるのはそういう事ではないのか?それにも関わらず
「油を注いでいるのは皮肉にも安倍首相。忖度はないと強弁しすぎる」
と言うのは無理筋だ。松井一郎に限らず「忖度」と「関与」の違いを正しく認識しているのか?と、疑いたくもなる。「忖度」は「推量」でしかないにも関わらず、それを「あった」と推測するのは「推量の推量」でしかない。客観的に明らかな根拠があるなら話は別だが、それもなく重要法案の審議そっちのけで「推量の推量」で自身や夫人の名誉を貶められているのでは安倍首相でなくても怒りたくもなる、と言うものだ。
※ここでの「忖度」は「関与」の意味ではないのか?
「忖度には、悪い忖度といい忖度がある」
と、松井一郎は言うが、忖度に良いも悪いもあるのだろうか?「慮る、気を使う」事が「忖度」ならサービス業は「忖度」の塊だし、それ以外の職種でも人と接する限り「忖度」せずにはいられまい。「忖度」と言う言葉を海外メディア向けに訳するのに通訳が苦労した、と言う話を聞いたが、どうやら外国には正しくそのニュアンスを伝える言葉がないらしい。その意味では「日本人独特の美徳」とも言えそうだ。
結局松井一郎の言う
「悪い忖度といい忖度」
の分かれ目は「結果としてその行為が法に抵触するか否か」にしかならないのだろうが、勿論「忖度」を理由に違法行為を正当化出来る訳でもなければ情状酌量の理由にもそうそうなるまい。違法行為と判っていながら上の意向を汲まざるを得ないのならばそれは「忖度した」のではなく、「圧力を受けていた」と言うべきだ。安倍首相がそうだった、と言うならその証拠が求められる。あるなら野党はさっさとそれを出せ、と言うだけの話だ。
※こじつけにも程がある。
https://youtu.be/jSuBwSQvJEU
松井一郎は
「メディアの皆さんもね、民進党の要請を受けて忖度してるじゃないですか。
なんで辻元清美さんという名前はいっさい出さないのかね。他の人は名前出すのに。」
「そういうのを僕は悪い忖度だと思いますけどね」
と、党大会後の記者会見で述べた。森友学園問題で安倍昭恵夫人と籠池夫人とのメールでのやり取りで辻元清美が森友学園にした事が触れられていた事を民進党が隠蔽しようと企んだが、既にその「嘘」はバレバレである。それは松井一郎の言う「悪い忖度」ではなく、
「民進党の圧力にマスコミが屈した」
だけでしかない。それを指摘した松井一郎は大いに評価出来るが「忖度」に拘りすぎているのではないか?そういう所に維新が「民進党や共産党より数段マシ」だが「そこまで」と言う「限界」が見え隠れしている様に思えてならないのである。
※国会で現在行われているのは「忖度」ゲームでしかないのは事実だろう。