北朝鮮新型ミサイルは思っている以上に脅威だった
※今回のミサイル発射の概要。
「今年最大の外交イベントとして入念に準備してきた」
※最早支那とは決別か。
習近平が怒り心頭なのは想像に難くなく、どういう形であれ、習近平の顔に泥を塗った北朝鮮に対して「それなりの代償」を払わせる動きに出る事は予想できるが、問題はそこではなく、今回北朝鮮が発射したミサイルの性能にある、と言えるだろう。
※発射直後から「新型」の可能性は指摘されていた。
※今回のミサイル発射のイメージ図。
今回ミサイルは「ロフテッド軌道」と呼ばれる軌道で発射された。これは通常より高い角度で発射して、飛距離を抑える軌道になるのだと言う。その代わり落下時の速度が増大し、迎撃がその分困難になるのだとも言われている。今回のミサイルは約30分飛行し、約800km離れた日本海に着弾した。その高度は2000kmにまで達したと言う。かつての北朝鮮のミサイル実験では昨年6月22日の中距離弾道ミサイル「ムスダン」では高度1000km超に達したが、飛行距離は約400kmだった、とされている。また今年2月12日に発射された「北極星2(KN15)」が、高度550km、飛行距離約500kmだったのに比べれば雲泥の差だと言わざるを得ない。国際宇宙ステーションの高度は約400km。北朝鮮のミサイルは明らかに衛星軌道を越えているのだ。日本からすれば「新たな脅威」が加わっただけだ。しかも今回のミサイル発射の一部始終を北朝鮮が完全にコントロール出来ていたのだとすれば、「実験は成功」と判断するしかない上、北朝鮮のミサイルが「ロフテッド軌道」で日本を襲う、と言う想定の「新たなミサイル防衛手段」の構築は待ったなし、となる。それでも憲法9条を信じて北朝鮮のミサイルに脅えながら過ごすのか?それとも憲法を改正して北朝鮮への「抑止力」を向上させるのか?日本も「待ったなし」の選択を迫られている。
※現状では対応に限界がある。
更に問題なのはこの「火星12型」と言う新型ミサイルをロフテッドではなく通常の角度で発射した場合、如何程の射程距離になるのか?と言う点である。
通常の角度で発射した場合、射程は4000kmを超え、米領グアム(北朝鮮から約3400km)を射程に収める可能性がある、と言うのが日本政府としての認識の様だ。また、射程が5500kmを超えれば「ICBM」とされると言うから、
と言うのは「正確な分析」なのだろう。こうなるとアメリカにとっても「他人事」ではなくなるだろう。トランプはこれをどう判断するのだろうか?
※勿論油断できない。
※「対話」に意味がない。
ここで北朝鮮が「新型ミサイル」を披露出来るのは「脅威」であり、「驚異」でもあるが、この「新型ミサイル披露」が「核実験の代替」で「軍の不満を抑える国内向けポーズ」だとするなら
「それだけ金正恩が外圧と内部の不満との板挟みに苦しんでいる」
と、見る事も出来るのではないだろうか?
※最早「力で止める」しかないのか?
相手が誰であれ、独裁者は「ヘタレたら」そこまでである。本来なら北朝鮮は4月15日(金日成の誕生日)に合わせて核実験で「華を添える」筈がアメリカが「カール・ビンソン」を派遣した事で核実験を行う事は出来なかった。それを「金正恩がヘタレた」と判断されれば軍に不満が生まれ、それがエスカレートすれば金正恩とて「寝首を掻かれる」結果に繋がりかねない。そうなる前に「虎の子」の「新型ミサイル」の発射実験を行う事で「軍の不満を鎮める」狙いまであったのならば、金正恩も相当追い詰められている、と言う裏返しとも考えられる。…アメリカもそこまで読んで北朝鮮の「内部崩壊」を待っているのだとしたら…?
…仮にそうだとしてもミサイル発射を何度行った所で「1回の核実験」には及ばない。軍の不満は少しずつ溜まっていく事に変わりはない。またこの状況下で核実験を強行する度胸があるならとっくに行われていた筈だ。このままでは何時か、北朝鮮軍が「暴発」する危険性もあるだろう。その矛先が金正恩なのか?韓国なのか?米軍なのか?それとも日本なのか?いずれにせよ日本としてはそういう事まで想定して対策をとらなければならないのである。
※北朝鮮メディアは大喜びで報道した様だ。