拉致問題に言及したトランプ大統領

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※「トランプ節」は健在だが、内容は画期的だ

現在国連総会が行われている。安倍首相が訪米しているのもそれが理由だが、注目はやはりドナルド・トランプの一般討論演説であっただろう。大統領就任前には国連を

「集まって話して楽しむクラブに過ぎない」

などと批判しており、大胆不敵、過激かつ奔放な

「爆弾発言」

が「アメリカ大統領」と言う立場でも飛び出すのか?が、ある意味では焦点だったが、演説では

「それは十分に達成された」

と言えるだろう。

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※日本ももっと協力すべき

今回のトランプの一般討論演説は国連を軽視するかのような従来の立場と孤立主義を連想させる「米国第一」の主張を、国連の理念である「主権」「安全」「繁栄」と絶妙に融合させ、「トランプ時代の国連」という新たな概念を打ち出した、と言う意味で、ある意味では「画期的」とも言える。如何にアメリカが強大でも北朝鮮問題やシリア問題、ISを始めとする「テロとの戦い」など、「国連を通じた国際社会の連携」が求められる、と言う意味であり、トランプ自身もそれを認識している事に他ならないからだ。と、言うよりトランプの認識が最初からこうだったのであれば、世界は彼に「一杯食わされた」とも言える。実業家が大統領になって、事の重大さを知って認識が変わった、とも受け取れるが、いずれにしても「トランプを見る目」を世界が変えるべきである事に変わりはないだろう。

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※トランプのセンスに座布団1枚!

…とは言え、「トランプ節」は健在北朝鮮問題については

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と、金正恩を「ロケットマン」呼ばわりした上に「完全破壊」と言う表現を用いる「過激さ」は持ち合わせている。


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幸か不幸か、北朝鮮国連大使はトランプ演説前に退席しており、外交官が一人居ただけだったが、


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現在のところ、反応はない。北朝鮮からすれば自国の最高指導者を「国連総会」と言う場で「ロケットマン」呼ばわりされた事も、「完全破壊」と言う表現で牽制された事も「侮辱」と受け止める公算は極めて高いだけに、「更なるミサイル発射や核実験」と言う挑発行為、また22日に北朝鮮外相が一般討論演説を行う、との事なので、そこで何を言うのか?予断を許さない状況にはなっている、と言えるだろう。

だが、トランプの一般討論演説で特筆すべきは

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と、拉致問題に言及した事である。拉致被害者の家族にとっても「寝耳に水」と言える「サプライズ」だが、この発言こそが

「トランプ演説の象徴」

とも言える場面になっている、と考える事も出来る。

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※サプライズだったトランプ演説。

トランプが横田めぐみさんの拉致事件を念頭にこの様な発言をした事は安倍首相や家族の人々の訴えがアメリカ大統領にまでキチンと届いており、「同じ思いを共有してくれている」と言う事に他ならない。アメリカが北朝鮮に対し、軍事行動に出た場合、米軍は金正恩は殺るかもしれないが、拉致被害者は捜索、発見、保護してくれる、と考えて間違いないだろう。アメリカがそうしてくれるなら日本がその時、米軍を支援しない、なんて選択肢は有り得ない。そしてそれを可能にするのが「安保法」だ。2年前に安倍首相がこういう状況をどこまで想定していたか?は謎だが、日本国民の悲願である

拉致被害者全員奪還」

に繋がる政策になっている事は間違いないだろう。歓迎すべき事であると共に日本人の一人として、心から感謝の意を表したい。
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※安倍首相とは実に仲が良い。

また、南シナ海問題では

「法を尊重すべき」

とも述べた。以前より安倍首相も同様の主張をしており、そういう意味ではトランプ演説は表現こそ過激な部分はあるにせよ、大枠では日本と見解を同一にしているもの、と受け止める事も可能だ。だとすれば日米で完全に歩を揃えており、直接言及した訳ではないが、トランプも日米同盟の緊密さを匂わせており、その意味で安倍首相の外交力の「凄さ」が表れた、とも言えるだろう。勿論安倍首相の演説にも注目すべき事は言うまでもない。
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※演説後は自画自賛。それも良いだろう。