柿沢未途の離党は民進党に影響するのか?
柿沢未途の妻・柿沢幸絵は先の都議選直前に民進党を離党し、都民ファースト推薦で立候補し、落選している。妻が民進党を、それも都議選直前に離党した時点で「夫が後を追う」事は予想出来た事ではあるが、それだけ「民進党」と言う看板では当選は厳しいのだろう。柿沢未途は父親の柿沢弘治元外相の地盤を受け継いでいる筈なのだが、都議時代は無所属当選、後に民主党だった。都議時代に飲酒運転をやらかした上、事故まで起こし、議員辞職及び民主党離党をしているが、コレは本人の不祥事が原因である。その後国政に転身したが、「みんなの党」次いで「維新の党」と選挙の度に所属政党が変わっている「落ち着きのない」政党遍歴であるとも言えるだろう。そして今度は「小池新党」か。不思議な事に柿沢未途は真っ先に民主党に所属し、民進党に「出戻り」なのにも関わらず
のである。…その意味でも「民進党離党」は必然の流れだったか。
いずれの所属政党でもそれなりの「幹部」として遇されてはいるものの、その「終わり」は「解任」とか「不祥事の引責」などロクなものではない。果たしてこの者の「離党」が前原体制にどう影響するか?先述した様にそもそも「国政選挙では民進党の看板で戦っていない」上に柿沢未途の選挙区では現在民進党はハッキリ言って「弱い」。前回総選挙では柿沢未途は維新の党からの出馬だったが、民主党は候補擁立すら出来なかった選挙区である。民進党が離党した柿沢未途に刺客候補を立てた所で確実に返り討ちだし、野党統一候補を擁立したとしても前回総選挙の得票状況から見ればまず勝ち目はないだろう。
民進党がこの選挙区で「勝利」したのは民主党時代の2009年が最後だが、その時当選した東祥三は次の選挙では小沢一郎に付いて行って落選している。…しかも得票を前回の3割以下に落として、である。その間自民党の得票に大きな変動は見受けられないので、自民党には一定の安定した支持層がいるものの、無党派層がそれ以上に多く、浮動票が世論や地域事情に左右されやすい選挙区、と考えられる。選挙戦になれば間違いなく柿沢未途と自民党の秋元司氏との「事実上の一騎打ち」でしかも「ほぼ互角」だ。柿沢未途が小選挙区で「2連勝」とは言え、油断は出来ない状況に変わりはないが、民進党としてはそういう事情から「勝ち目がある選挙区」とは言えず、柿沢未途の離党があったとしてもある意味では「それほどの痛みはない」と見る事も出来るのである。