「千葉時代」が地質時代の名称に採用へ

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※地球の歴史に「千葉」の名前が刻み込まれる。

これは歴史的快挙である、と言えるだろう。
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地球の歴史を区切る地質年代は、中生代白亜紀といった大きな区分の名称は既に決まっているが、小さな区分には未定のものがまだあるのだと言う。その一つが新生代第四紀更新世と呼ばれる時代の中の77万年前から12万6千年前までの期間だったのだが、この度その期間に


と言う名称が付けられる見通しなのだと言う。ラテン語で「千葉時代」と言う意味になるのだと言う。
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市原市の養老川付近にある地層だそうだ。
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※その地層にはかつての地磁極逆転の証拠が明確に記録されている。

地質学の分野では欧州が強く、特に3400万年前以降の時代はイタリアからの命名がその多くを占めているのだと言う。今回もそのイタリアとの競合を制しての事だけに日本のこの分野での学術レベルが大きく発達し、世界の最先端ともタメを張れるレベルにまでなっているとも言える。

尤も正式な承認までにはまだ3段階もの手順を踏まなければならず、油断は出来ないが、過去の例では現時点での作業部会の決定が覆されるケースは極めて稀で例外的なものばかり、との事で「事実上決着」と言っても過言ではないそうだ。

その「77万年前から12万6千年前までの期間」と言うのは地球の磁気が南北で逆転する現象が最後に起きた時期なのだと言う。イタリアの地層はこの現象を示すデータが不十分だったのに対し、千葉県の地層は明瞭に確認出来ると言う。それが「決め手」になったらしく、「この時代を代表する地層」として千葉県市原市にある地層が内定した、と言う事だ。「77万年前から12万6千年前」と言われてもピンと来ない方もおられるだろうが、縄文時代約1万5000 - 1万2000年前が「草創期」とされる。「最新の氷河期」とされる「ウルム氷期」は7万年前から1万年前、と言われている。要するにクロマニヨン人どころかネアンデルタール人の時代であり、「日本文化」はその芽も出ていなかったであろう。と、言うか我々現代日本人の直系の祖先が日本列島にいたかどうかすら怪しい。
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※パワースポットだとも言われている。

また「地磁気の逆転」と言う現象を初めて発見したのは京都帝国大の松山基範教授である。昭和4年の事だ。地球で最後に起きた249万~72万年前の地磁気逆転期は松山教授の功績を称えて「松山逆磁極期」と呼ばれているそうだ。どうも日本はこの時代に縁があるらしい。地球も磁石であり、北極にS極、南極にN極がある訳だが(だからN極が北を向く)、コレが「文字通り」逆転してしまう現象が過去に起こっていたのだ。近々(と言っても2千年前後らしいのだが)「その予兆」とも受け取れる現象もあると言われている。どうしてその様な現象が起こるのかはまだ解明されていないし、人類が「文明」と言える物を得てから発生した実例がないので受ける影響は予測の範疇を出ないが、地磁気が弱まると宇宙から降り注ぐ宇宙線、即ち放射線が増大し、それによって氷河期の原因になるとも、また生物の被曝量が増大する事で「突然変異」が多発する、とも言われているが、ネットなどへのインフラへの影響に至っては予測さえ困難であるとも言える。

地球の歴史は46億年とも言われるが、その長い歴史の解明に日本も貢献し、日本に因んだ名前が出来るのは非常に名誉なことである。まだ判っていないことが多いどころか地球の歴史で人類が解明出来たのは氷山の一角でしかないのかも知れないが、この先日本の研究者によって更なる発見がなされる事を期待したい。