華麗なるブーメラン


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民進党から希望の党になっても「所詮愚物は愚物」と否応なく理解出来る一件である。


茂木経済再生担当相の「線香配付問題」、野党としては絶好の安倍政権閣僚の首を獲るチャンス到来、と思いきやお約束で「ブーメラン」が返ってくるのだから「笑えない」と、言うべきか?「救いがない」と、言うべきか?しかもそんな「華麗なるブーメラン」が突き刺さったのは希望の党代表の玉木雄一郎だと言うから尚更質が悪い。

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と、立憲民主党風間直樹近藤昭一政治資金収支報告書に「線香代」の費目が明記されている。玉木雄一郎


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と、線香どころか香典まで政治資金から支出していた事が明らかになった。玉木雄一郎自身の慶弔費支出について

「政党支部の活動」

とコメントしたがそれは茂木大臣の釈明と同様のものでしかない。同様の問題でありながら

「茂木大臣はクロで玉木雄一郎はじめ野党議員はシロ」

と言うのでは理屈が通らない。どうしてもそうだと言うならキチンとした法的根拠を明示すべきであろう。それなくしてそういう主張をするのは「法の下の平等」と言う大原則に反する主張、と言う事になる。これ等の「政治資金での線香代支出」を批判する前にそういう理解はあるだろうか?

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ここで適用されるべき法律である公職選挙法は、

「政治家本人や後援会がその選挙区内の人に寄付を行うことを原則禁止」

している。一方、政党支部など政治家が代表を務める団体については

「氏名が類推されるような方法で寄付をしてはならない」

と、規定している。コレが「抜け道」となって事実上「選挙区内での寄付行為」が罷り通っているのが良くも悪くも現状である。総務省としては

「政党支部の職員または秘書が、氏名の表示のない政党支部からの寄付を持参することは、直ちに氏名が類推できる方法によるものとはいえない」

と言う見解を示しているが一方で

秘書が国会議員名に言及して配った場合は、公選法が禁じる寄付行為に当たる恐れがある」

との見解も示している。結局「ケースバイケース」と言われればそこまでの話なのかも知れないが、追及する野党が

「自分達と茂木大臣のケースがどう違って何故自分達はシロで茂木大臣がクロなのか」

を国民に明確にしなければ追及する意味がない事に変わりはない。

平成28年5月の事だが、当時民進党政調会長だった山尾志桜里にも香典問題が発覚した。しかも「後援会からの支出」だった。しかしその後山尾志桜里

「支出元を後援会から自身が代表を務める党総支部に変える政治資金収支報告書の訂正」

を行い、これを受けて民進党

「政党支部が支出することは禁止されていないというのが民進党の統一見解だ」

と釈明した。それなら民進党希望の党立憲民主党が茂木大臣を追及する理由は無くなる。与野党問わず議員の「政治とカネ」の問題を糺すのは大いに結構だが、その前に自分達の身の回りから糺さなければ国民の支持・理解は得られない事を野党は肝に銘じておくべきだ。

野党が茂木大臣の線香代を追及する狙いは言うまでもなく

「口実は何でも良いので兎に角安倍政権の閣僚を辞任に追い込む」

と言う点に尽きるだろう。だが、そもそもの公職選挙法自体が曖昧なので誰であれ、問題のある議員の白黒は結局は司法判断を仰ぐよりなかろう。それを行うのは国会ではなく裁判所。三権分立の「基本中の基本」だが、野党、特に立憲民主党の諸君、その意味を理解しているのだろうか?

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どうしても茂木大臣を「クロ」にしたいなら国会で追及するより告発状を野党の連名で出して司法判断を仰げば事は足りる。それより国会で話し合うべき事は憲法改正や来年度の予算、北朝鮮問題など文字通り「山ほど」ある。それらより茂木大臣の線香代問題を優先させる意味と理由は一体何か?是非とも国民に対し、明確にして貰いたいものだ。

「兎に角問題を粗探しして自分達も同様の問題を抱えていようがお構いなしに国会で追及し、それがTV中継され、TV局の御用解説者が野党の肩を持つ」

と言うパターンで政権の支持を落とし、野党の支持を拡大させる、と言うのは昔からの「黄金パターン」なのかも知れないが、最近ではネットのお陰か
おお
「野党にも同様の問題がある」

事が即座にクローズアップされる時代になっている。野党はそれが理解出来ないのか「バカの一つ覚え」よろしく同じ手法しか用いない。昔はそれで良くても今は最早通用しない。故に野党はその辺りの認識を一新しないと国民の支持・理解は得られないだろう。それを何時になったら気付くのだろうか?変わるべきは野党である。