シリア情勢、ロシアはどう出るか?


米英仏によるシリア攻撃を巡って、そのシリアのアサド政権を支持するロシアとの緊張も高まっているが、国連安保理、と言うのはこの様な事態を目の前にしてかくも無力なものである事を露呈してしまっている。
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ロシアに言わせると米英仏による攻撃は「国際法違反」になる。国際法上正当な武力行使、と言うのは基本的に

自衛権の行使
安保理決議によるもの

でなくてはならない。そのどちらでもない今回の米英仏のシリア攻撃は「国際法違反」というのがロシアの言い分だ。これに対して

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と、アメリカは反論、英国も化学兵器使用の抑止やシリア国民の苦境解消を目的とした「人道的介入」と、主張、議論は噛み合っていない。

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採決の結果、ロシアが提出した米英仏非難決議案はロシア、支那ボリビアが賛成しただけで「否決」と言う結果に終わった。

米英仏いずれも安保理で拒否権があるのだから、ロシアとてこうなる結果は想定していた筈だ。だが、あのプーチンの事だ。これは「織り込み済み」であろうし、他に「手がない」と言う訳でもあるまい。ここからどう出てくるか?が今後を占うポイントにもなろう。

だが、こちらを参照して頂くと明らかな様に

・シリアの化学兵器北朝鮮が関与
・昨年4月にシリアでサリンが使用された

事は「事実として」国連に報告されている事でもある。それでも安保理が機能不全なのは「シリアでの自国の国益」で常任理事国の折り合いが付かないからだ。安保理が「国益を保証する場」でないのは明らかだが、そこから脱却しない限り安保理が本来の役目を果たす事など出来まい。


兎に角先ずは「戦闘行為を停止させる」事が最優先なのだろうが、それすらままならないのが現在の安保理である。シリア情勢に対して無力なままでは国連の存在意義からして疑われる。「国連の限界」は明白だし、日本も「無関係」と傍観している訳にもいくまい。それでも


「安倍やめろ」なんて言っている連中が如何に「平和」と言うものに無関心かは14日のデモを見れば明らかであろう。こんな連中の言う事など最初から信用してはならない。

今後の鍵はロシアの出方次第、となろうが、自国の国益ばかりではなく、大局的な立場での言動が要求される。果たしてそれが出来るのか?現在プーチンにそれを言えるのは安倍首相位なものだろう。その安倍首相の訪米ではシリア情勢も議題になる筈だ。そこで日本がどうするか?国際社会の注目を集めそうだが日本の左翼にもそれだけの大局的な物の見方をして貰いたいものである。…そんな器量があるとは思えないが。