北朝鮮の発表は何処まで信用出来るか?


イメージ 1
※単なる「譲歩」な訳がない。

北朝鮮が21日から核実験やICBM発射実験の中止、核実験場の廃棄などを決定した、と報じられた。
イメージ 2

安倍首相は

イメージ 3

と、コメントし、また会談が取り沙汰されるトランプ大統領

と、決定を評価する姿勢を共に見せている。

だが、報道されている「決定要旨」を見ると、
イメージ 5
※結局は北朝鮮の言い分だけ。

日米が求める「完全非核化」については一言も触れていない。アメリカの言う「対話」は「北朝鮮の完全非核化」を前提にしたものだが、その土俵に上がってきた、とはとてもじゃないが言えない様な内容、としか言い様はないだろう。所詮は北朝鮮が主張する「北朝鮮は核保有国」と言う前提に立ったものでしかなく、当面必要な核開発、ミサイル開発の目標は達成したから「それを既成事実化」させる為の交渉に臨もう、と言っている様にも思える。

また、

《経済建設に有利な国際環境をつくるため、周辺国や国際社会との緊密な連携と対話を積極化する。》

と、あるのは現在行われている制裁の緩和を狙ったものである事は間違いないと見て良いだろう。実際に北朝鮮の核・ミサイル開発が本当に金正恩が求めるレベルに達しているのかは不明だが、少なくとも「実戦配備可能な最低レベル」に達した事は確実であろう。要するに

北朝鮮の核・ミサイルによる日本の安全保障への脅威」

は何ら軽減していない、と言う事だ。それでも国会を空転させ続けるのか?国賊野党共は?
イメージ 7
イメージ 6
※安倍首相はキチンと理解している。

安倍首相はその意味を理解しているからこそ、この様にもコメントしているのだ。勿論先日訪米してトランプ大統領と会談した時にそれらの詳細な打ち合わせが行われたであろう事は想像に難くない。

故に「北朝鮮が態度を軟化させた」と見るのは早計で、寧ろ

「制裁と言う足枷を填められても必要最低限の目標は達成したから今度はその足枷を外そう」

と、見るべきではないか?今までかけてきた「圧力」には効果があったと見るべきだが、ここでその「圧力」を緩めるのは論外な対応であり、

北朝鮮の核・ミサイルの完全かつ検証可能、不可逆的な廃棄」

が達成され、「日本の安全保障への脅威」が「解消されるまで」圧力をかけ続けなくてはならない。既に「制裁緩和」は北朝鮮を一方的に利するだけの結果しか生まない、と認識すべきであろう。

イメージ 8
※勿論日米の歩調は一致しているであろう。

その上で北朝鮮は「体制保証」「経済援助」「制裁緩和」等と言う「実利」を狙っている。安易な妥協は日本の為にはならない。北朝鮮関連の問題の中でも「拉致被害者の奪還」は極めて重要な課題である。トランプ大統領金正恩との会談の際の拉致問題提起を明言してくれたのは心強い限りではあるが、日本も出来る限りの事は行うべきなのは論を待たない。「拉致問題の解決」と言う観点からも圧力は継続するべきで、日本単独での妥協は「アメリカへの裏切り」にもなりかねない。それでは「文在寅と同じ穴の狢」でしかないだけにそういう選択肢は有り得ない。

そもそも「自国民を自国の力で救出出来ない」のは憲法9条があるから、である。国家が自国民の安全を担保するのは当然の義務だが、それをさせない憲法9条は「国家の義務の履行を阻害する要因」としてしか機能していない。ケント・ギルバート氏は

憲法9条が憲法違反」

と評したが、正にその通りである。北朝鮮に核・ミサイルを永久放棄させても、また拉致被害者を全員取り戻す事が出来ても北朝鮮を国家ごと地球から消滅させるか、憲法9条を改正しない限り「同じ悲劇が起きる可能性」はあり続けるだろう。それを理解するのに「拉致被害者の狂わされた人生」とは余りにも高い代償ではあるが、それでもその意味を理解しない愚物集団がいるが、こういう手合いの連中の主張は

「不審人物を目の前にして防犯対策をするな」

と言う事だ。それが常識的な判断かどうかは論を待たない。

北朝鮮の様な異常な国では尚更だ。

それらを乗り越えられたとしても北朝鮮と言う国は元来「嘘吐き」である。信用など出来る筈もない。故に北朝鮮の発表に一喜一憂せず、検証結果などを通じて「本気度」を確認するような慎重さが必要なのである。