金正恩の甘言に乗せられるな

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※会談の結果はどうなるか?

世界が注目する米朝首脳会談、その成り行きが気になる所ではあるが、そもそも金正恩は会談で何を狙っているのか?その狙いは日本にとっては余り「良いこと」ではなさそうだ。
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北朝鮮米朝首脳会談で狙っているのは第一に

「『体制保障』をアメリカに確約させる」

事であろう。 明言はしないが制裁で北朝鮮は既に相当痛手を被っているのだろう。そしてこのままでは体制が持たない。だから「朝鮮半島の非核化」を言い出して話し合いの場に出てきた、と見ても差し支えはないであろう。制裁を緩和させ、身の安全が確保出来ればどうにでも出来る、と踏んでいるのだろう。それを見越しているからこそ、日米首脳は

「非核化完了まで制裁継続」

と発表したのではないだろうか?


「体制保障」
アメリカの軍事攻撃の回避」

さえ得られれば後は適当に相槌を打って

「合意の履行に見返りを要求→得られなければゴネる」

と言う作戦で時間を稼ぎ、核保有を既成事実化するとか、更なる支援を要求する、と言う肚なのだろう。そういう意味では米朝首脳会談で何らかの合意がされたとしても額面通りに受け止めるのは危険である。

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そもそも北朝鮮は「朝鮮半島の非核化」とは口にしても「北朝鮮の非核化」とは一言も言っていない。「朝鮮半島」と言うからには当然韓国の領域も含まれる、と解釈するよりない。韓国にある核、即ち「在韓米軍の核」を意味するのは論を待たない。

金正恩からすれば北朝鮮「だけ」が核を放棄すると「見返り」がどうであれ、国境を接する全ての国の核に囲まれる事になる。そんな「針の蓆」は何としても避けたい。だからと言って支那やロシアに「同時に核放棄」とは死んでも言えない。と、なれば「朝鮮半島の非核化」を口実に在韓米軍の核、若しくは在韓米軍自体を撤退させ、支那とロシアの「核の傘」をバックに韓国を呑み込むしか手はない。幸い文在寅は与し易い相手だ。北朝鮮が制裁を緩和させ、生き残るにはそれしか手はないだろう。

そうなれば日本にとっては安全保障上の脅威が増すだけでメリットは何もない。憲法を改正して核武装、最低でも世界標準の防衛体制を早急に整えるとか、非核三原則を見直して在日米軍の核を公然化させる、と言った対応を求められる。そうなってから騒ぎ出すのは癌の早期発見に努めるのではなく、相当進行した状態で発見されてから騒ぐ様なものだ。護憲派はその意味を判っていない。


安倍首相とトランプ大統領はその意味を十分に理解しているであろう。先日の首脳会談でも恐らくそれらの対応策は話し合われた筈だ。こちら側のペースで事を進められる対策がある、と信じるよりないが、どういう形であれ、北朝鮮ペースの話し合いでは日本にメリットは皆無なのは確かである。対話は結構だが、主導権をどう維持するか?がカギとなる。安易な制裁緩和をしない、と公言している事からその「対話の主導権」を握り続けたままで臨むのは明らかで、その意味では安心していられるが、油断は禁物である。特に日本には拉致問題がある。

拉致被害者全員の即時無条件帰国」

が対話の前提条件であるのは論を待たない。それ以外の北朝鮮の甘言に一喜一憂する必要はない。毅然とした対応の貫徹こそが事態打開の唯一の道であると言えるのである。

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