屈辱の金正恩



金正恩、やはり制裁は相当効いていた模様だ。

金正恩習近平と3度目の首脳会談を行った際、

経済制裁で大きな苦痛を受けている。米朝首脳会談を成功裏に終わらせたのだから、制裁の早期解除に努めてほしい」

と、制裁緩和を懇願していた、と言うのだ。勿論金正恩のこんな情けない姿勢を如何に相手が習近平とは言え、北朝鮮国内向けに報道出来るとは考え難い。恐らく情報は支那側から出たのだろう。

だが、情報の出所は然程問題にはなるまい。内容の真贋が気になる所ではあるが、報道が事実であるなら「北朝鮮への制裁は相当効いていた」裏返しであり、そうする事で北朝鮮を「日米が用意した土俵に上げた形での」米朝首脳会談の開催に繋がったのだと考えられる。つまり日米の「圧力路線」の有効性と正しさが証明されたに等しい。「圧力より対話」なんて言っていた連中は己の不明を存分に恥じて貰いたいものだ。



もっとも米朝首脳会談が行われた、そこで幾つかの合意があった、と言っても北朝鮮の核廃棄に向けた行動が確認された訳ではない。それどころか核開発の隠蔽を行っている疑惑が出てきている。その真偽が確認されない限り制裁緩和をするのは北朝鮮を利するだけで他に建設的な事は何も生まない。制裁の継続は当然であろう。と、言うか「制裁緩和」など今までの努力を自ら無駄にする「究極の愚行」である。


習近平金正恩の懇願に

「最大限努力する」

と、応じ、6月28日にロシアと共に国連安全保障理事会のメンバー国に対北制裁緩和を求める声明案を配布した。米朝首脳会談の実現だけでは制裁緩和には程遠い内容でしかないが、この2ヵ国にとっては

北朝鮮が核を持った所で自分達にその核を向ける」

可能性は低い、と踏んでいるのだろう。それどころか北朝鮮の核は支那やロシアにとっては自分達の安全保障にも繋がる。北朝鮮との国境ではなく事実上38度線を防衛ラインにする事も出来るだろう。そういう観点で見るなら支那やロシアの「朝鮮半島の非核化」の本気度は北朝鮮のそれよりも怪しいものになる。だからこういう事を言い出すのか。

いずれにしても米朝首脳会談は「始まりの始まり」でしかない。そして相手は「世界一信用出来ない」北朝鮮だ。日米の対応は現在の所、正解であると言える。