石破茂の得票をどう解釈するか?

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※予想通り。

自民党総裁選は予想通り安倍首相が三選を決めた。そもそもこの総裁選、

「どちらの候補が勝つのか?」

なんて命題は最初から存在せず、

「安倍首相がどう勝つのか?」

だけが焦点だった。

結果は

石破茂の得票は予想より上だった。

と、200票行けば「御の字」と言われていた石破茂の得票はそれを大幅に上回っていた。

それを以てメディアを初めとする「反安倍」界隈は「石破茂は善戦した」と評する向きが多いが、果たして本当にそうなのだろうか?

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この様な計算が「妥当なのか?」はさておき、結果だけを言うなら石破茂惜敗率

「議員票で22.2%」
「党員票で80.8%」
「合計で45.9%」

であった。石破茂を厳しく批判してきた麻生財務相

「どこが善戦なんだ」

と指摘。石破茂はコレに対し、

「45%(の党員票獲得)はすごいことだ。善戦ではない、と言うのは党員の気持ちとずれが起きている」

と反論している。

※まさにそれ。

安倍首相も周辺に

「石破氏は幹事長、地方創生担当相をやったのに議員票も党員票も(得票率を)減らした」

と、周囲に漏らしたそうだ。毎日新聞石破茂の得票について

党員票得票率は55%から10ポイント減ったが、実数は23万3376票が28万6003票に増えた。》

と、言うが前回石破茂が総裁選に立候補した6年前は自民党は野党で一番苦しい時。議員数も党員も大幅に減っていた。その時の党員数は78万9348人の最低記録を更新していた。与党に返り咲いて議員数も党員も回復したが、昨年の段階で党員数は106万8560人だった。党員数は35.3%増えた訳だが、石破茂の得票は22.5%の増加に過ぎない。得票数の増加率が党員増加率を上回っていたのであれば石破茂の言い分も判らなくもないが、やはり安倍首相や麻生財務相の指摘通り、前回からの党員、議員数の増加を考えると石破茂の言い分は厳しい物がある。

今後の焦点は内閣改造・党役員人事となるであろう。石破茂や石破派がどの様に処遇されるか?だが、本人は

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との事。選挙戦時は


と、自身の敗北を前提に

「自身や石破派を冷遇するな」

と牽制していたにも関わらず、である。

今回の結果を受けて「ポスト安倍」に繋がった、と言う意見もある。だが、上記の様に石破茂の発言は

「その場だけ」

でしかない。もっとも安倍首相としても内閣改造・党役員人事で石破茂や石破派を起用する意向はない模様だ。現在唯一の石破派閣僚である斉藤農水相も交代の方向、と言うからその通りならこの先3年は

「石破派は冷飯食い」

なのは確実だ。

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※世の中石破茂が考える程甘くはない。

「党員の45%もの支持があった」

と言う自負があるなら石破茂自民党内で「不満分子」にはなれても気軽に離党も出来まい。「離党」は石破茂を支持した人達への「裏切り」でしかない。これまで散々裏切りを繰り返してきた石破茂だけにその可能性は否定出来ないが、離党すればその瞬間に自民党総裁の椅子は永久に届かなくなるだろう。その覚悟があるなら離党でも何でもすれば良い。

もっとも自民党に留まっていても「ポスト安倍」が一人に絞られ、方針が明確になった場合、それに勝てる保証は何処にもない。石破茂の実像が明らかになっている以上、支持がそうそう広まるとも思えない。次回も負ければ

「永遠の冷飯食い」

となる可能性だってある。つまり

「行くも地獄、引くも地獄」

で処遇は

「生かさず殺さず」

となれば毎日が「針の蓆」であろう。それに耐えてこそ、だが石破茂はそれに耐えられるだろうか?その意味ではこの先も目が離せない。