辺野古移設工事の中断をアメリカに請願する意味はあるのか?



アメリカ・ホワイトハウスのサイトには

「WE the PEOPLE」

と言うページがある。そこではホワイトハウスへ請願が出来、その請願が30日の期日内に10万の賛同署名を集められればアメリカ政府として60日以内にその請願に回答してくれると言う。

そしてこの度、

「沖縄の県民投票まで辺野古、大浦湾の埋め立てを止めてほしい」

と言う請願が出されたのだと言う。



記事執筆の為に賛同の署名数を確認した所、既に9万を越えており、請願が成立するのは時間の問題だ。従ってアメリカ政府として何らかの回答を行う義務が発生する。

琉球新報によれば賛同署名を行った有名人も多数居るようだが、そもそも疑問なのは

アメリカ政府に工事を止める権限はあるのか?」

と言う点である。

是非はさておき、工事を進めさせているのは日本政府である。現場の辺野古は沖縄で、沖縄は日本だ。アメリカの法律や権限が日本領内で適用出来る筈はない。従ってこの請願は

「県民投票まで工事の中断を日本に要求してほしい」

と、でも読み替えるよりない。

※だが既に土砂投入は始まっている。

※こうなったら元に戻すのは困難。

だが、移設工事は既に「土砂投入」と言う

「埋め立てへの一歩」

を既に踏み出している。ここで中止した所で現状回復は困難になる一方、と言うか既に「後戻り出来ない」段階だと言える。この手の請願をやるなら知事選挙直後にでも行うべきであった。

またこのサイトの請願は要件を満たしたからと言って請願が認められるとは限らない。確かにホワイトハウスは「回答はしてくれる」ものの、例えば

普天間基地移設の解決策は『辺野古への移設が唯一の選択肢』なのでその実行を見守る」

とか

アメリカ政府は沖縄の自治に介入出来ない」

と言った「拒否」や「ゼロ回答」だって有り得る。賛同署名をするのは個人の自由だが、その請願で工事を止められる、なんて期待はしない方が賢明だろう。

辺野古への移設を再度決定したのはルーピー

この普天間基地移設問題は色々あり過ぎるが、「最終的に辺野古」と決定したのは安倍首相ではなくルーピーが首相だった時だ。安倍首相は民主党政権の決定を受け継ぎ、「国としての約束」を果たすべくこの問題に対応しているだけだ。一方、「最低でも県外」と言いつつ首相として「辺野古移設」を最終的に決定したルーピーは政治家を引退して

※無責任にも程がある。

と、再び反対派へと転身。自分で辺野古移設を決めておいてそれはない。これこそがこの者が「ルーピー」と呼ばれる理由なのだろうが、政治家を引退したからと言ってそれまでの言動の御祓が済む訳ではない。日本政府のこの問題への対応云々を批判するなら安倍首相ではなく、この腐れ外道にその矛先を向けなければならないのだが、基地反対派にそれを理解する脳味噌はない模様だ。

…いずれにしてもこの請願が効を奏するとは到底思えない。冷静に「抑止力」の何足るかを学んだ方がよっぽど有意義なのは間違いないと言えるだろう。「反対」なのは自由だが、先ずはそうしてもらいたいものである。