恐るべし安倍外交


※豪華な顔触れだ。

トランプ大統領来日の日程が無事終わったのと入れ替えの様に今度はアジア7カ国の首相・副首相クラスが一度に来日する、との事だ。安倍外交の凄さが伝わってくる。

その7カ国の首脳クラスの顔触れ、と言うのは

「フィリピン・ドゥテルテ大統領、マレーシア・マハティール首相、バングラデシュ・ハシナ首相、カンボジア・フン・セン首相、ラオストンルン首相シンガポール・ヘン・スイキャット副首相、ベトナム・ファム・ビン・ミン副首相」

と言う豪勢な顔触れだ。それ以外にもモンゴル、インドネシアブルネイ、タイ、ミャンマーからも閣僚級の来日があるのだと言う。副首相クラスでもヘン・スイキャット副首相は「次期首相最有力候補」と言うのがシンガポールでの評価だと言うし、またファム・ビン・ミン副首相も外相を兼任している程の大物だ。勿論安倍首相との個別会談も予定されており、北朝鮮問題をはじめ、拉致問題への協力要請、また地域情勢なども議論する予定だと言うから南シナ海問題が議論の対象になるのはまず間違いないだろう。

※顔面蒼白…

これらのアジア各国からの要人の「一斉来日」は東京で開催予定の国際交流会議に出席する為、と言うが首脳クラスが多数出席する会議が「只の会議」で終わる筈もない。これだけの要人を短期間で応対する安倍首相や河野外相はさぞ大変だろうが、

「個別会談で地域情勢についても議論する」

と言うだけで支那にとっては十分過ぎる程の「外交的脅威」となる。

南シナ海問題における各国の主張と立ち位置。

南シナ海問題では少なくとも支那の主張する「九段線」は国際法上「否定されるべきもの」なのは明白で「論にも値しない」が、支那の主張を抜きにしてもASEAN加盟国同士での主張が重なる部分は大きい。また、そのASEAN内でも「日米寄り」の国もあれば「支那寄り」の国もある。だが今回、南シナ海問題で領有権を主張するASEAN加盟国の首脳・閣僚級が日本に勢揃いする形になる。ここで安倍首相に説得され、「日米寄り」にASEANを纏められたら支那としては立場が非常に悪くなる。そうなったら「戦わずして習近平の敗北」と言っても過言でない程だろう。だがここで正面から日本と対立する、と言う事は勿論アメリカを敵に回す、と言うのと同義でしかなく(既にそうなっているに等しいが)、只でさえアメリカとの貿易戦争でダメージを受けている状況下でこれ以上の痛手はどう考えても支那にとっては得策ではない。だからと言って安倍首相がASEAN各国を「日米陣営に取り込む」真似を指を加えて見過ごす真似も出来まい。習近平にとっては「頭の痛いジレンマ」だが、そういう狙いもあればこそ、トランプ大統領来日中

「日米蜜月を『嫌と言う程見せ付ける』」

演出を行ったのだろう。仮にそうだとすれば安倍首相の外交手腕の凄さ、深謀遠慮には「舌を巻くばかり」である。


日米安保条約前文。

日米安保条約は「極東における国際の平和及び安全の維持に共通の関心を有することを考慮し…」とある。「極東」がどの範囲を指すのか?と言う議論はあるが、いずれにせよ、日米安保条約が「日本の安全保障の為だけではない」事は明らかだ。と、なるとそれが可能になる様な環境整備、と言うのは当然の事で、安保法制はその第一歩でしかない。勿論求められる事は「憲法を改正し、自衛隊国際法上認められる『自衛権』を当然に行使出来る」事である。アジアの平和と安全は日米の手によってなされなければならない。そうする為にも憲法改正は「絶対に必要」なのである。