不定期連載・東京裁判に毒を吐く その3

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出鱈目東京裁判の記事も漸く三回目だが、今回は訴因、それも

訴因: 1928年から1945年に於ける侵略戦争に対する共通の計画謀議

について考察したい。

東京裁判の訴因は当初55項目もあった。その中には「日独伊による世界征服の計画謀議」などという荒唐無稽としか言いようのない訴因まであった。証拠不十分と言う理由でこれを訴因とされた者はいないが、(正確には訴因から除外された)証拠不十分どころか千年捜索してもそんな証拠が出る訳ない。最初からないのだから。

最終的に訴因は10まで絞られたが、その中に何故か「殺人」が含まれていた。これは真珠湾攻撃戦争犯罪に含めたかったマッカーサーの意向だと言われている。

閑話休題、起訴状によれば、A級戦犯28名が1928年から1945年まで一貫して世界支配の陰謀のため共同謀議したとされ、判決を受けた25名中23名が共同謀議で有罪とされている。その1928年に何があったかと言うと「張作霖爆殺事件」である。関東軍の仕業とされるこの事件が連合国に言わせると日本の対外侵略戦争の始まりだと言う事だったのか?

しかしこの時期の内閣の変遷を見ると総理大臣がなんと15人も誕生し、延べ17内閣が発足している。(犬飼毅が五・一五事件で亡くなった直後臨時就任の高橋是清は除く)足かけ17年で15人も総理大臣が誕生しているとは近年あった「毎年総理大臣誕生」にも匹敵する総理大臣誕生ラッシュである。その中には濱口雄幸のような政党代表の文民もいれば東條英機のような陸軍出身もいれば米内光政のような海軍出身の総理大臣もいた。これでどうA級戦犯に問われた28人が「共同で」「侵略戦争の謀議」をしていたのだろうか?1928年時点では例えば東條英機はまだ陸軍大佐であったのだが?

また日本軍は陸軍と海軍の仲が最悪であったのは有名な話である。大東亜戦争の最中に陸軍が潜水艦を作り、海軍が戦車を作ると言う嘘みたいな本当の話があるくらいだ。これは決して誤植ではない。信じられないと言う方は「日本陸軍 潜水艦」や「日本海軍 戦車」で検索して頂ければお分かり頂けるであろう。米英と戦争やりながらコレなんだからそれを知っていれば共同謀議で他国を侵略など有り得ないのは自明の理である。

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※日本「陸軍」の三式潜航輸送艇

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※日本「海軍」の特二式内火艇
(正確には海軍陸戦隊の水陸両用戦車)

そもそもこの訴因はニュルンベルク裁判の構図をそのまま利用したのが原因だ。被告がナチスか日本かの違いだけで同じ敗戦国と言うだけで同じ罪に問うたのが原因だ。

ナチスヒトラーを頂点に一党独裁を作り上げ、国家はナチスの下に置かれた。しかし日本の大政翼賛会は自発的にそうなったものであり、大政翼賛会や軍部は国家や天皇の下であった。またナチスは権力掌握にあたり、全権委任法で憲法を死文化させたが、日本の憲法はそうはなってはいない。更にヒトラーは戦局が明らかに不利になっても死ぬまで独裁者・ナチス総統であり続けたが、東條英機サイパン陥落の責任で退陣している。日本はナチスとは違うのだ。故に同じ土俵で裁く事自体が間違いだったのだ。

尚、ファシズムとは独裁者(組織)の存在、独裁者が頂点で国家は二の次である状態だ。つまり戦前戦中の日本より現在の支那北朝鮮、かつてのスターリン時代のソ連の方がファシズムまっしぐらなのである。日本はファシズム国家とは化してはいなかったと言ってよかろう。