疑惑が深まる一方のワリエワ問題と解説放棄

 

※同情は買えない…
 
ドーピング疑惑の渦中のまま出場したロシアのワリエワ。ショートプログラムは1位と、これだけ世界中で騒がれ、更に批判の的になっている中でのこれは(色んな意味で)大したものだ。少なくともメンタルに関しては「金メダル級」なのは間違いないだろう。
 
そんなワリエワの演技についてアメリカでは放送中に解説者が「解説を放棄」と言う極めてレアな事態になった。ワリエワ出場に対する「抗議」の一環らしい。
 

 

※それが世界の総意だろう。
 
同様の措置は韓国の放送でも行われた様だ。要するに
 
「ドーピング疑惑が晴れない中での出場は認められない」
 
と言う意思表示である。それだけに留まらず
 
「彼女は検査で陽性反応が出た。私たちはこのスケートを見るべきではありませんでした」
 
とまで言ったと言うからオドロキだ。日本ではそこまで言う人は居ないだろうが。
 
しかも問題はそれだけではない。問題のワリエワの検体からは禁止薬物の「トリメタジジン」だけでなく、「ハイポキセン」「L―カルニチン」と言う2つの薬物にも陽性反応があったと言う。この2つの薬物は「禁止薬物ではない」が、トリメタジジンと同様に心臓の機能を向上させ、持久力の強化や血液循環の改善を促す効果があると言われている。…特にそれらを併用すれば、だが。
 
「ハイポキセン」は本人が心臓病の治療に使っていたと言う報道もある。また「L―カルニチン」は経口服用は認められるが、注射で多量投与されれば競技力向上効果を得ることが出来ると言い、ワリエワの服用実態は不明である。だが、確実に言える事として
 
「それら3種類の薬物が同時に陽性反応を示す事がレア」
 
だと言う事らしい。…しかも15歳から。かなり不自然だと言えるが、そもそも検出量が「痕跡」レベルではなく、
 
「意図的に組み合わせて効果を検証」
 
したレベルだと言う報道もある。で、あればワリエワはある種の「人体実験」をされていたと言う事か?因みにROC(ロシアオリンピック委員会)に同行している医者は「反ドーピング規則違反」で資格停止処分を受けた前科のある「曰く付き」の奴だと言う。疑惑は深まる一方だ。
 
ワリエワ側は「祖父のグラスに付いた薬を誤って摂取」などと主張しているらしく、実際にワリエワの祖父には心臓疾患があり、「トリメタジジン」を服用していたそうだが、この薬は「カプセルに入った状態で処方される」のだそうだ。従って故意にカプセルを開けて水に溶かして服用でもしない限りそんな事にはならない。また、薬に触れた程度では実際にワリエワから検出された量にはならないとか。弁明が苦しいのは明らかだが、なんでこの程度の釈明が通用したのか?更なる謎を呼んでいる。
 
※ロシアのドーピングの闇は深い。
 
アメリカでは「ロドチェンコフ法」と言う法律があり、これによりスポーツ選手に禁止薬物を投与した医師やコーチなど周囲の人物を取り締まる事が可能で、これで有罪が確定すれば最大で100万ドルの罰金や禁錮10年の刑罰が待っている。勿論アメリカの国内法だが、スポーツの国際大会でそのドーピングが特にアメリカの成績に影響を与えた場合、下手人がアメリカ人でなくてもアメリカ国内では適用対象になるそうだ。ワリエワのコーチ等の関係者は以後アメリカに行けば入国時にこれで即座に「御用」、なんて事もあり得るのだ。是非ともそうして貰いたいものだ。
 
「16歳未満は保護対象」とか「順位は暫定」とか「表彰式は行わない」とか言っても誰も納得はしない。フリーでもワリエワが1位となった後に「ドーピングはクロ」と認定して「メダル剥奪」「記録抹消」なんぞした所で誰の為にもならない。寧ろ15歳を晒し者にしてぬか喜びさせ、挙げ句の果てに「ドーピング娘。」として絶望のドン底に突き落とす。そっちの方が「取り返しの付かない事態」になるのではないのか?まぁ「ロシアのドーピング」に対する「報復」としてそうするなら一理あるとも言えるが、それなら「出場させない」判断を最初からしていた方がどれだけ建設的でフェアな対応か?
 
※オリンピック史上最悪の汚点は確実。
 
いずれにしても「オリンピック史上最悪の汚点」となり、ワリエワの成績に関わらず世界に「遺恨を残す」結果になる事だけは確実だ。「解説放棄」が妥当かどうかはさておき、「そうしたくなる」気持ちだけは理解出来るだろう。だが、世界にとって不幸な事に開催都市は「北京」だった。それが「そもそもの間違い」だったのだ。以後のオリンピックはこの北京での汚点を如何に教訓とするかが焦点になる。習近平が何と言おうが「北京オリンピックは成功」なんて評価するメディアは欧米ではほぼ皆無となるだろう。既に「北京オリンピックは失敗」と評価して差し支えない。その象徴が「ワリエワドーピング疑惑」と評価するべきである。