朝日新聞に「言論機関の矜持」はあるか?
Yahoo!で配信される数々のニュース。その多くに記事を読んだユーザーがコメントを投稿する事が出来る機能が備わっている。ちょっとしたネット掲示板の様にも受け取れるが、この度立教大の木村忠正教授(ネットワーク社会論)とYahoo!ニュースが共同でその「コメントの分析」を行った様だ。
今回調査対象になったのは、2015年4月の1週間に配信した政治や社会など硬派なテーマの記事約1万件と、それに対して投稿されたコメント数十万件との事。その分析作業にかけた労力には素直に敬意を表するが、それを受けた朝日新聞の記事には違和感を覚える。分析によれば
《人名や地名など様々な言葉で出現頻度を調べると、頻度の高い上位三つは「日本」「韓国」「中国」。10位までに「日本人」「韓」「朝鮮」がみられた。韓国絡みの言葉を含んだコメントが最も多くて全体の20%近く、中国関連とあわせると25%を占めた。》
と、言う。Yahoo!ニュースでは支那朝鮮メディアの多くの記事が日本語に訳されて配信される。良くも悪くもそれらの記事には連中の視点が如実に反映される。表現の問題はあるにしてもそれらの記事に寄せられたコメントはそういう「視点」に対する日本人ユーザーの素直な反応、と受け止める事も出来るだろう。
《韓国や中国の人たちに対する「排斥意識」の強い言説が浮かび上がる。》
《Yahoo!は健全な言論空間づくりを目指して常時コメントを監視し、過度に悪質な投稿を削除したり、表示順位を下げたりする工夫を重ねている》
と、ある様にYahoo!も無為無策ではない。それどころか、不肖筆者も稀にだがコメントしていたりするので良く知っているが、このYahoo!ニュースのコメント欄、明らかな差別用語や表現、またYahoo!が設定した「禁止ワード」が含まれている場合、そもそも投稿出来ない。それらの規制を掻い潜って不適切表現を投稿するユーザーがいないわけではないが、勿論そういう投稿は通報も出来る。また、他ユーザーの投稿に返信も出来るので反対意見を述べる事で議論も出来るし、当該コメントに「賛成」「反対」の意思表示を示す事も出来る。
またコメントが多く寄せられる記事のランキングも随時表示されるので「Yahoo!ニュースで現在どんな記事が注目されているのか」も一目で判るが、いつ見ても「コメントが多く寄せられる記事」は「支那朝鮮メディアの対日観」が色濃く反映された記事であろう。言い換えれば「支那朝鮮の日本観」即ち「反日」感情が強く反映された記事、と言う意味だが、それに対する「反論」「批判」まで「排斥意識」とか「嫌韓」「嫌中」と一纏めに論ずるのは如何なものか?
支那朝鮮メディアが如何なる主張をしようがそれに対して「客観的な根拠」を挙げた上で「反論」したり「記事は嘘出鱈目のフェイクニュース」と断じるのは「ヘイトスピーチ」でも何でもない。それらまで「排斥意識」「嫌韓」「嫌中」「ヘイトスピーチ」であるかの如く言うのは却って
「ネット上の自由な言論活動を萎縮させる危険」
※当該記事記事に寄せられたコメントの一部。
…理由は色々考えられる。例えば
「記事に施した印象操作を見破られる」
「記事が嘘出鱈目だと反証される」
「朝日新聞自身が予想される反論に耐えられない」
などだが、何れにしても朝日新聞が
「他者からの批判、反論に耳を貸さない」
と、言う事に変わりはない。それが
「まともな言論機関のする事」
と言えるか?ましてや
「新聞は社会の公器」
であるにも関わらず、だ。
※朝日新聞も「ブーメラン」がお好きらしい。
そういう意味では朝日新聞がこの分析結果を記事にしたのは大いなる皮肉であろう。当該記事はYahoo!サイトでコメント出来るが、朝日新聞を批判するコメントも数多い。朝日新聞は果たしてそれらの声をどう受け止めるのだろうか?自身の主張が言論ならそれを批判する他者のコメントもまた「言論」である。朝日新聞は自身への批判の声も謙虚に受け止めて
「健全な言論空間」
の醸成に協力するべきであろう。朝日新聞の器量が問われる。
※朝日新聞の「言論機関としての矜持」が問われるのだが…