小池百合子が豊洲への移転を決断、「選挙対策」なのか?
※やっと「決断」してくれた。
漸く、と言う他ないだろう。
…本来なら昨年11月に市場は豊洲に移転する予定だった。だが、小池百合子は「豊洲の安全性の確認」等を理由に移転を延期し、半年以上も「移転か否か」の結論を出さずに(出せずに?)いた。それだけで1日500万、とも言われる豊洲市場の維持費を始め、業者への補償、と言った関連費用は文字通りの「とんでもない金額」になっている。しかもその原資は都民の税金だ。一都民として「食の安全」が脅かされるのは我慢ならないが、だからと言って払った税金が無駄遣いされるのもまた我慢ならない。
※そんな勝手は許されない。
問題の土壌汚染対策としては
・盛り土がなかった地下空間の安全対策に、換気設備設置と床面をコンクリートで補強
・地下水をくみ上げて浄化するシステムで水質を改善
と言った対策を行う、との事だ。また築地は売却せず、築地のブランド力を生かした「食文化の発信拠点」と位置付けた上で、豊洲にも商業施設などを整備し、収益改善を図る、としている。
東京庁内組織「市場のあり方戦略本部」の試算によれば築地を50年間の定期借地で民間などに貸した場合、年160億円の賃料収入が見込め、約6000億円の豊洲整備費のうち約3600億円の借金などの累積赤字を30年程度で解消できると試算し、築地を売却、もしくは再整備するより市場の持続性が高まる、と結論している。だが、所詮は皮算用、現実問題として築地跡地には東京五輪・パラリンピックの幹線道路となる「環状2号」が通る計画なのだが関係者の
「来年度上半期に移転しなければ間に合わない」
と言う証言がある。しかも豊洲の対策工事や環境影響評価は1年程度かかる見込みなのだと言う。既に「ギリギリ」のタイミングだとしか言い様がない。万が一間に合わなければ小池百合子がその全責任を負う他ないが、その覚悟があってこの様な選択をしたのだろうか?
※豊洲には「闇」があったのだろうか?
「豊洲移転に関わる『闇』を暴く為の時間稼ぎ」
と、見ていた。だが、現実を見ると仮に移転に伴って何らかの利権で儲ける者が居たとしても小池百合子はその「闇」に辿り着けなかったか、そうでなければ「移転延期」と言う自身の判断が支持される程の内容ではなかった、と言う事になるだろう。要するに「場外戦で敗北した」と言う意味だ。そうでなければ不肖筆者の見立てが間違っていた、と言う事になる。
※「選挙対策」と批判されるのがオチ。
詳細は週明けにも発表されると言うが、そういった「新事実」がないなら小池百合子には「豊洲移転をここまで延期した」事への説明責任が求められる。豊洲は少なくとも「法的」な安全性は担保されている。以前に記事にしたが、それは小池百合子自身でさえ認めている事だ。その意味では「豊洲は安全だが安心がない」と言うのは詭弁でしかないし、その「安全」を確保するのは政治の役割の筈だ。それについて、小池百合子は今まで何をしてきたのか?問題はそっちの方ではないのだろうか?
※小池百合子には何らかの「計算」はあるのだろう。
…このタイミングでの小池百合子の決断や、「豊洲の無害化が達成出来なかった」と言う市場関係者への「謝罪」を「選挙対策」と見る事は出来るだろう。「決められない都知事」と言う自民党からの批判に「答えを出した」とも言えそうだが、「決められない都知事」が「優柔不断な都知事」に変わる程度の効果しか生まない。繰り返しになるが発表にあたって「移転を延期した『それなり以上の』理由」や「豊洲が『安全』なだけでなく『安心』出来る理由」をキチンと説明出来なければ選挙対策としても意味は半減する。小池百合子がそれについて何を話すのか?そこが大きな注目点となるであろう。
※と、言う都民の声に応えるのは都知事の義務だ。