支持すべき日本のIWC脱退
漸く、と言うべきか日本政府は
方針を固めた模様だ。
※コレでは「4分の3以上の賛成」はどちらも望めない。
日本がIWCを脱退するとこの枠内で認められている南極海での調査捕鯨は出来なくなる。だが代わりに「適正な資源管理」が大前提ではあるが、自国のEEZや領海内で商業捕鯨を堂々と行う事が出来るようになる。勿論他国からとやかく言われる筋合いはないのだから、南極海まで出向くコストやリスク、また需要を考えるとこの方が良いのかも知れない。
※鯨肉の消費量にかつての面影はないが、「失って良い食文化」とは言えない。
日本の捕鯨の歴史はかなり古く、縄文時代の遺跡から鯨の骨が出土しており、その骨の損傷具合などから縄文人が鯨類を「食物になる」と認識して「狩りの対象」にしていたのは間違いない。…縄文人がどうして「鯨を食べよう」と思ったのかは謎だが。
「日本人が鯨を食べていたのは有史以前からの伝統」
と言っても何ら問題はない。そもそも「日本は島国」なのだから、食文化に海産物が大きく影響しているのも明らかで、そういう「食文化の歴史」を他国に口出しされる筋合いなど皆無である。
そもそも「反捕鯨」での日本批判は矛盾に満ちている。例えばアラスカでは先住民による捕鯨は認められており、誰も非難しない。「反捕鯨」を声高に叫ぶ連中は日本には「鯨を食べるな」と言うがアラスカの先住民に同様の主張をした、なんて話は聞かない。
しかもアラスカの先住民が捕獲対象にしているのは「絶滅危惧種」とされるホッキョククジラ。一方日本が調査捕鯨の対象にするミンククジラは「絶滅危惧種」どころか個体数は増加傾向にある、とされている種だ。「捕鯨の伝統」と言う概念を認めない、鯨は種に関わらず保護すべきだ、と言うなら「全ての捕鯨」を同様に非難しなくては「論」として成り立たないが、「反捕鯨」の連中は絶滅危惧種を補食するアラスカ先住民には何も言わず、個体数が増加傾向にある種を食べる日本は非難する。…どう考えてもそこには
「差別」
「偏見」
と言う陰が蠢いているとしか思えない。
※「反捕鯨」の主張は矛盾に満ちている。
「絶滅危惧種」を食べるな、と言う主張には確かに「理」はある。だが、鯨にも多様な種があり、その全ては「絶滅危惧種」と言う訳ではない。絶滅危惧種を保護するべきなのは論を待たないが、「類」レベルまで拡大して保護する必要はあるのだろうか?
例えばクロマグロ。絶滅危惧種として保護対策が国際的に話し合われている。だが、その他にも食用にされるマグロは存在する訳で、クロマグロの南半球版、とも言えるミナミマグロ(基本的に大トロはこの2種だけにしかない)、一番「お馴染み」のメバチマグロ、夏に美味しいキハダマグロ、ツナ缶などにも活用されるビンナガマグロ、そして「知る人ぞ知る」存在のコシナガマグロなどが挙げられる。
※以前不肖筆者が一本買いしたコシナガマグロ。
幾らクロマグロが絶滅危惧種だからと言って他のマグロまで漁獲規制の対象にしろ、なんて話にはならない。クロマグロ以外のマグロの資源量が安定しているのであれば当然だ。だが、鯨の場合は何故か一部の鯨が絶滅危惧種だと例え個体数が増加傾向でも全ての種の鯨まで規制しろと言う。なんでマグロは良くて鯨は駄目なのか?連中から明確な説明はない。
「反捕鯨」を口にする連中はこんな簡単で単純な疑問にも明確な回答は行わない。コレが「反捕鯨」の実態である。こんなアンフェアで「公正中立」な裁判など出来る筈もない。従って日本政府のこの判断は支持すべきである。