緊迫!ウクライナ

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ウクライナ情勢が緊迫している。ロシアの軍事介入がそれに拍車をかけている。

今回のウクライナの内乱はEU加盟を見送ったヤヌコビッチ(前?)大統領の政治判断に反発した親欧派の市民によるクーデターと言えよう。結果的にヤヌコビッチ氏はロシアに保護され自らの政権の正統性を訴えているが、アメリカやEUは新政権の承認へと立場が対立し欧米VSロシアの代理戦争にもなりかねない危険な状態である。

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ヤヌコビッチ氏の邸宅は捜査され、不正蓄財やら報道弾圧を示唆する証拠等が見つかっている模様だ。新政権側は市民殺害容疑でヤヌコビッチ氏を手配した為、現状では彼はロシアで亡命政権を作るしかなかろう。

そんな中ロシア・プーチン大統領はさっさと軍事介入を決断してしまった。シリアの時はアサド政権擁護の立場からアメリカ・オバマ大統領のシリアへの軍事介入に断固反対してオバマから一本勝ちをせしめて、親露のヤヌコビッチ政権崩壊には即座に軍事介入と同盟国には手篤い。シリア、ウクライナと見る限りオバマよりもプーチンの方が数段上手なのは明らかだろう。

ロシアの軍事介入の口実はウクライナ内のクリミア自治共和国の軍事支援要請だろうが、このクリミア半島自体がかつてウクライナに「与えた」地域なのである。つまり一度は与えたが、理由があればまた取り返す腹積もりだったのだろうか?クリミア自治共和国自身がロシアかウクライナか帰属を問う住民投票を決めたと言うが、ロシア系及び親露派住民の多い地域だけに結果の予測は容易だ。これではロシアは労せずしてクリミア半島を領土に出来てしまうだろう。ウクライナは国土の東側は親露、西側は親欧と対立もあったという。筆者個人的にはウクライナには国家分裂などは回避してもらいたいが…

そもそもヤヌコビッチ政権自体はウクライナ国民が選挙で選んだ政権ではなかったのではないか?エジプトやタイでもそうだが、国民がその国のやり方の選挙で選んだ政権に反発すると武力闘争まで発展してしまうのはとてもじゃないが民主的とは思えない。選挙で選ばれたのを良いことにやりたい放題の政権も如何なものだが、それに反対して武力で政権打倒を図る方もどちらも果たして民主主義の何たるかを理解しているのだろうか?

少なくとも火事場泥棒的にこの事態を利用して領土や権益の拡大を狙うロシアのやり方には賛成出来ない。軍事介入の前にこの事態を平和的に解決して貰いたいものだ。