原発反対の前に見ていただきたい映画

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平成27年となり、国内の問題の一つである「原発再稼働」に一つの答えが出そうな雰囲気である。

現在原子力規制委員会に審査を申請しているのは計14原発21基。審査は25年7月から始まり、現在再稼働一番手最有力の鹿児島県・川内原発では機器の詳細な設計などを確認する「工事計画認可」と、運転管理体制を確認する「保安規定変更認可」の審査の真っ最中だ。論点はなく認可は既定路線だが、認可申請書が2基合わせて約4万ページと膨大で規制委から補正も求められているため、確認作業は年をまたいで続いている。

この認可が終われば、現地で規制委による1~2カ月の使用前検査が控えている。既に立地自治体の鹿児島県や薩摩川内市の「地元同意」も得られており、検査が終われば再稼働できる。

続いて、運転を再開するのが見込みがあるのは福井県・高浜原発。事実上の合格証となる「審査書案」が昨年12月に了承され、現在、意見公募(パブリックコメント)を実施しており、1月中旬に締め切り、2月にも確定する。その後、川内原発と同様に認可審査に移るが、高浜原発の場合半径30キロ圏には京都府滋賀県も含まれ、地元同意がスムーズに進むかは不透明ではある。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150101-00000023-san-soci

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さて、「原発反対」という意見は根強い。だが、そういう人ほど是非とも見ていただきたい映画がある。「パンドラの約束」というドキュメンタリー映画だ。

この映画では地球環境保全推進論者が反原発の立場で福島やチェルノブイリの実地調査や原子力の専門家の意見などを通じて原発の必要性を認識して行く過程が描かれている。と、言うか原発賛成論者へとなっていく。作中ではチェルノブイリでは事故後1年足らずで立ち入り禁止を無視して現地に戻り、25年以上暮らしている人々がいることに驚く。また世界各地の空間放射線量を測定しているが、ブラジルのガラパリという砂浜では37mSvもの放射線量を記録する。しかし現地の人々は放射線を恐れる事なく健康にいいという理由でこの砂浜で砂風呂に入る。

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また「IFR」という福島原発同様の全電源喪失事故が万が一起こっても自動停止出来る原子炉の開発過程も語られる。作中では福島やスリーマイル同様の事態になっても自動停止となる様子が描かれるが、その開発が中止された理由は当事の米国民主党による政治的なものである事が明らかにされる。

原子力発電には高いコストとリスクがある。それ故反対する意見があるのも分からないでもない。だが、この映画は太陽光発電風力発電と言ったクリーンエネルギーでの発電にはその補助として天然ガスが必要である事を指摘する。これらの発電法では発電が気象条件に左右される為、安定した発電を求めるのはそもそも無理がある。それをカバーする為に天然ガスが実は必要なのだ。これらの発電も結局CO2による環境破壊から逃げられない。そういう事をどれだけの人が知った上で原発に反対しているのだろうか?

しかし原子炉の中でも特にリスクの高い軽水炉を商業的理由で安易に普及させた点も誤魔化さずにキチンと触れる。作り手が原発問題に正面から取り組む姿勢が伝わるよい映画である。

放射線やら感情的な理由で原発に反対するならその原発反対派の人ですら勧めるこの映画を是非とも見ていただきたい。