少年法は改正すべきか

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※被害者の生徒の冥福をお祈り致します…

川崎市で発生した中学1年の生徒が殺害された事件、その残虐な手口もさることながら逮捕されたのが17~18歳の少年だったと言う事もまた社会に衝撃を与えた。

被害者の生徒の冥福を先ずは祈りたい。

事件を受けてネット上では既に逮捕された少年とおぼしき少年の写真や個人情報、更にその家族についても情報が流れ、それ以外にも真偽不明の噂も数多く氾濫している。周知の通りマスコミが実名を報じないのは少年法に以下の規定があるからである。
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…しかし、この事件は少年犯罪と言えども凶悪犯罪としか言い様がない。少年法の規定を見直すべきだと言う意見が出てくるのも当然であろう。これに対して日弁連法務大臣に提出した意見書で少年事件全体のうち18歳、19歳の少年が被疑者となる事件は約4割を占めていると指摘。18、19歳はまだ精神的・社会的に未成熟で、対象年齢を18歳未満に引き下げれば、「少年の立ち直り・成長支援と再犯防止を阻害する」と批判している。
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少年事件の審理では、大人と違い、被疑者の成育歴や成育環境、資質など、少年が立ち直るための「配慮すべき重要な事実」が重視されている。もし、18歳や19歳の若者の事件が通常の刑事手続きで扱われるようになれば、「犯罪の背景・要因となった若者の資質や環境上の問題点に関する調査・分析」や、少年が立ち直るための「手当がなされないまま手続きが終わることにある」と危惧している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150226-00002747-bengocom-soci
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※現行法での少年審判の流れ。

一方で政治家からも…

自民党稲田朋美政調会長は27日、川崎市で中学1年の男子生徒の遺体が見つかり、18歳の少年ら3人が殺人容疑で逮捕された事件に関し、「犯罪を予防する観点から、今の少年法の在り方でいいのかはこれから課題になる」と述べ、少年法の見直しも含めた検証が必要との認識を示した。

また「少年が加害者である場合は(報道などで)名前も伏せ、通常の刑事裁判とは違う取り扱いを受けるが、(少年犯罪が)非常に凶悪化している」とも述べた。国会内で記者団に語った。》

http://www.sankei.com/affairs/news/150227/afr1502270026-n1.html

…と言う見解も出ている。

日弁連の様な少年法見直し反対派の主張の前提は「未成年は精神的・社会的に未成熟である」と言う点にある。従って法律で保護する必要があると言うのだが、日本の法律にはこんな規定もある事も忘れてはならない。
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これは民法の規定だが、幾ら「未成年者を法律で保護する」と言ってもその限界があると言うことを示す例であるとも言えるだろう。そこでこんな例を考えてみたい。
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【…典型的な右直事故だが、直進車を運転しているのが18歳の未成年でこの事故で右折車の運転手が事故で死亡したとする。

…これだけで考えるとこの死亡事故で少年を実名報道するのは確かに酷かもしれない。少年の事故の責任は免れないかも知れないが、そもそも直進と右折なら直進優先である。その分過失の割合も減る訳だし、情状酌量の余地が全くないとは言えないだろう。

…ところが仮にこの少年が無免許かつ飲酒運転だった場合、これは一瞬にして凶悪な少年犯罪へと変貌する。幾ら18歳だからといって一度たりとも「自動車の運転には免許が必要」だとか「飲酒は20歳になってから」と言う事を知らずに育つ可能性などほぼ皆無である。そもそも自動車の運転免許は18歳から取得可能で、その教習内容は成人と同様である。つまり、「交通法規(これは16歳から)や自動車の運転方法などは18歳でも成人同様の認識・理解能力がある」、と言う前提がなければ未成年に自動車で公道を運転させる真似は最初からしないだろう。】

こうなると「未成年だから」と言う理由で全てにおいて一律に保護する必要があるのかという疑問が出てくるのも不思議ではないだろう。
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※こういう意味不明な発言をする狂気のネットユーザー

そこで少年犯罪の実名報道の是非についてはその犯罪行為の性質で区別しても良いのではないだろうか。つまり、一口に「犯罪行為」と言ってもその原因が「本人の過失による割合が大きい」事例と「明らかに本人が故意に行った」事例が考えられる。例えば前者は原則実名報道しない、後者はそれなりの要件を規定して裁判所の同意の元、検察または警察の然るべきポストにある人間の責任で実名公表、と言う具合だ。前者では交通事故や軽犯罪の類、後者は凶悪犯罪、例えば殺人、薬物、性犯罪、詐欺、放火等が考えられる。

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※その実例。


犯罪被害に遭った人からすれば「加害者が未成年であるから」など関係ない。先ず必要なのは被害からの回復やその後のケアではないのか?それにも関わらずそういう事より加害者の人権を重視する風潮があるのがそもそもおかしい。犯罪の本質とは「不当な他人の権利の侵害」なのである。それを忘れて人権問題を叫ぶ連中は単なる偽善者でしかない。