セシウム137の内部被曝についての豆知識

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福島県産の米はキチンと放射性物質の検査をしている。

2015年に収穫された福島県産の米は7日までに検査が終了した分については全て放射性物質セシウム137が

「1キロあたり100ベクレル」

と言う基準値を下回っていたそうだ。福島県にとっては朗報であろう。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160108-00000099-jij-pol

稲がセシウムを吸収するのを防ぐ塩化カリウム肥料を散布する、といった技術対策や、時間の経過に伴い放射線量が低減したことが効果を発揮した、というのが理由として考えられる。福島県ではそういう見解の模様だ。

…それでも

セシウムが体の中に入って来たら…」

そういう不安を持つ方はまだいるであろう。そこで豆知識。
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放射性物質半減期。但しこれは「物理学上の」半減期である。
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放射性物質によって人体の何処に蓄積されやすいか異なる。

放射性物質であるセシウム137は体に取り込まれると骨、筋肉、肺、肝臓、腎臓等に蓄積されやすく、白血病、肝臓がん、不妊の原因になると言われている。半減期は30年と、人間にとっては長い。

とは言ってもそれは取り込まれた放射性セシウムが全て体のどこかに蓄積されれば、の話である。半減期が30年、と言うのもそれは物理学上の話であって、実際に生物に及ぼす影響はまた別の話である。

一口に「半減期」と言っても物理学上のそれとは違う「生物学的半減期と言うのも存在する。実際には生物が放射性物質を体内に取り込んでもある程度は尿や便、といった物と共に体外へ排出される。その期間を「生物学的半減期と言うが、セシウム137の場合、110日で取り込んだセシウム137の半分は体外へ排出されるのである。勿論残った半分から内部被曝する事には違いないが…

その影響を知るにはこの二つを組み合わせた「実効半減期」と言う概念で考える必要がある。セシウム137の場合、約109日になる。
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※生物である以上、尿や便で体外に排出されて放射性物質が減少する。主な放射性物質の「実効半減期」一覧。

またセシウム137は水溶性であるため、気になるならば当座の対策として「水を大量に飲む」と言うのがある。水に溶かして体に取り込まれる前に尿として外に出してしまえばいい、と言う発想である。

またセシウム137を「大量摂取(300mSv以上)した」場合「のみ」だがプルシアン・ブルー」という薬品を飲むと良いそうだ。勿論厚生労働省認可の薬品である。

これを飲むとプルシアン・ブルーセシウム137と結合して腸から体内に吸収されにくくなるそうだ。これにより先程「110日」と書いた「生物学的半減期」が約3分の1程度まで短縮されると言うから知っておいて損はなかろう。但し、摂取したセシウム137が微量の場合、効果はないそうなので、要注意である。