カロリー制限が被曝対策に?AMBICでの実験結果。


これは「耳よりな話」と言えるのではないだろうか?

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http://www.sankei.com/life/news/160316/lif1603160021-n1.html?utm_medium=notification&utm_source=sankei%20news%20app&utm_campaign=android%20201603161300%2013115

…不測の事態で放射線を大量に被曝してしまった…!そんな時の対策になる可能性がある。

環境科学技術研究所の小野哲也理事長によると

「カロリー制限をすると被曝による寿命の短縮を抑える効果があるのです」

との事。これは貴重な情報ではあるまいか。
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※実験に使われるマウスにも色々な種類がいるものである。

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※AMBIC外見。

青森県六ヶ所村にある先端分子生物科学研究センター(AMBIC)ではセシウム137を線源
に、ガンマ線を照射出来る実験室があり、マウスで放射線被曝の影響を研究していると言う。

同研究所の山内一己さんらによる研究によれば、大人になったマウスに被曝線量と摂取カロリーにそれぞれ差をつけて影響を調べたと言う。しかも実験に用いたマウスはガンになりやすい種だと言う。
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※AMBICでは餌の影響を除外した研究も以前行っていたそうだ。どうやら「ホルミシス」と言うのもあるのかも知れない。

実験対象の半数のマウスに対して1日20ミリシーベルト放射線を400日間連続照射(!)…残り半数には終生、照射なし。と言う条件で更にそれぞれのグループで半数のマウスに週95キロカロリー。残り半数は週65キロカロリー、と言う条件でで共に終生餌を与えたのだそうだ。因みにマウスの餌の「週95キロカロリー」とは、「食べたい放題」の量で、このグループのマウスは当然肥満体になる。「週65キロカロリー」ではマウスは体型を維持出来る量に相当するのだと言う。放射線マウスの前半生ほぼ全て照射した事になり、その総被曝線量は8千ミリシーベルトにも達する。…勿論こんな大量の放射線を一度に浴びたら人間だって間違いなく死ぬが、放射線被曝量が同じでも短期間に一気に被曝するのと長期間少量の被曝が継続されるのでは生体に与える影響が異なる。実はここが「放射線被曝」に関する知識でのポイントになる部分でもあるのだ。
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※短時間被曝ではこの様な影響が出るが、同じ線量を長期間少しずつ浴びた場合、同じ結果になるとは限らない、これが放射線被曝の影響を知る為のカギになる。

…そういう前提で実験は「高カロリー・被曝」群から「低カロリー・無被曝」群まで、計4グループのマウスのグループを作り、その寿命を比較したのだ。その結果…

一番長生きしたのは勿論「低カロリー・無被曝」のマウスで、一番短命だったのは「高カロリー・被曝」のマウスであるのは容易に想像出来る範疇なのだろうが、意外にも「低カロリー・被曝」のマウスの方が「高カロリー・無被曝」のマウスより長生きしたのだと言う。

…つまり、カロリー制限をした場合、例え放射線を被曝しても、がんの発生頻度が抑えられたり、発生が遅らせられたりする効果がもたらされたと推測出来るのだ。人間でもそうであるならば、これは多くの人に知って貰いたい事である。

カロリー制限による発がん率の低減効果は米国の研究者によって、約30年前から高線量率被曝の例では知られていたが、低線量率被曝に対する効果は確認されていなかった。大量のマウスを使い、しかも数年がかりの大型実験が必要になるからだ。…勿論この手の実験に被験者として参加する人間は居ないだろう。…一生生活を保証してくれる上、高額のガン保険を掛けてくれると言われても不肖筆者はお断りだが。

「カロリー制限をすると寿命が延びるという現象は、100年ほど前から多くの生物種で知られていたのです」

「寿命短縮や細胞のがん化は、複雑な過程を経て進みます。カロリー制限が、そのどこに効いているのか突き止められると治療への応用にもつながります」

とは、小野哲也理事長の弁である。

生物の体は不思議だ。放射線による寿命短縮や発がんを抑制する働きもカロリー制限でもたらされる。この実験はマウスによるものだが、人間の場合でも重要なヒントになるかも知れない。今後の研究成果に注目したい。