「クーデター」の意味を知らない小西洋之

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※流石に「クイズ」はなかったが、意味のある質問があったと言えるか…?

民主党」が新たに「民進党」になってもそこに所属する人間は簡単には変わらない。そう感じさせる国会質疑だったと言えるかも知れない。
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http://www.sankei.com/politics/news/160328/plt1603280025-n1.html


※上手く再生できないときはコチラから


民進党小西洋之が国会質問で吠えた。

曰く

民進党の使命・目的は違憲立法を断行する安倍政権を打倒することだ」

「(憲法解釈変更は)ペテンであり、いんちきだ」

「法論理ではなくて、政治だ。政治よりもさらにひどい、クーデターだ」

…等と怪気炎全開だった模様だ。

こんなのを相手にしなくてはならない安倍首相も気の毒ではあるが、それも総理大臣としての役目である。しかし、「クーデター」発言には

「クーデターというのは、軍隊を動かして、民主的に選ばれた政府を転覆するものだ。国民の選挙を通した意思の結果が、安倍政権だ。その政権の閣議決定をクーデターと呼ぶということ自体が、基本的に間違っている」

と、流石にたしなめる一幕もあった。勿論安倍首相の言う通りである事は論を待たない。
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※こんなのを相手にしなくてはならないなんて安倍首相も気の毒だ。

小西洋之は、政府が集団的自衛権の行使を可能にする「武力行使の新3要件」の一部に、集団的自衛権の行使を否定していた昭和47年の政府見解を援用していた点を問題視していたが、当時と現在では安全保障を考える前提や、兵器及びその性能が全く異なる。単純比較する意味はなかろう。


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※昭和47年の集団的自衛権に関する解釈。現在とは安全保障の前提が違う事に留意するべきだ。


またこの憲法解釈を「一内閣の独断で変更するなど言語道断」だなんて批判もあった。では聞くが、その昭和47年の集団的自衛権に関する憲法解釈もまた「一内閣の独断で決定された解釈」ではないのか?自身の意見に合うならいいが、そうでなければ許容しない、と言うのは単なるダブルスタンダードだ。「安倍首相だけ」が憲法解釈を変更するのは怪しからん、なんて理屈は通用しない。

また、毎日新聞が集団的自衛権に関する政府解釈の変遷を記事にしているが、それらの解釈は集団的自衛権の行使要件などがハッキリしていない時代のものである、と言う事実には留意するべきであろう。「ニカラグア事件」国際司法裁判所集団的自衛権の行使要件について判示したのは1986年の事である。小西洋之が挙げているのはそれ以前の話である事を忘れてはならない。

それによれば集団的自衛権の行使には個別的自衛権の発動要件に加えて

・直接攻撃を受けた国によるその旨の宣言

・同国による要請

を要件とする、としている。

この判例を前提にすればアメリカの行っている戦争に自衛隊が追随して他国への武力攻撃に参加する」なんてのは明白に「集団的自衛権発動」とは言えない事になる。この様な論理で安保法を批判するのはそもそも筋違い、時代遅れのロジックでしかない。昭和47年とはベトナム戦争真っ只中であった。例えば韓国は「共産主義に対する集団的自衛権発動」としてベトナム戦争に参戦したが、ニカラグア事件における国際司法裁判所の判決はそういう理由での集団的自衛権発動を明確に否定した、と言えるだろう。そして日本はそうならない為にこう言う解釈を生み出した、と言われている。

また、集団的自衛権」と一口に言ってもその様態には諸説あり、

1:「個別的自衛権の共同行使」であるとする説

2:「他国を防衛する権利」であるとする説

3:「他国への攻撃にかかる自国の死活的利益を防衛する権利」であるとする説

等があると言う。先に挙げた国際司法裁判所の判決では基本的に2:の説を採用したが、3:の説は安保法が想定している内容そのものである。また1:の説であるならそもそも憲法上の問題が生じない事も考えられるだろう。

また欧米では「集団的自衛権」とは刑法で言う「正当防衛」の類推であるとする考えが主流であると言う。(つまり2:の説に基づく)日本の刑法でも「正当防衛」はこの様に規定されている。

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他者を防衛する権利が個人に認められているにも関わらず、国家同士では認められない、と言うのも不可解であると言えないだろうか?こう言う矛盾の原因は憲法9条の存在にある。と、なれば行うべきは「安保法の廃止」ではなく、「憲法9条の改正」ではないのか?小西洋之の様に自分の解釈でしか語れないのであれば見識矮小だと言う他ない。そもそも安全保障に関する問題は「相手になる他国」が存在するのが大前提である。日本の国内法だけで考えられる問題ではないのである。

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※本人の自己満足しか感じられないが…?

国会質問は自己満足の場ではない。自身のTwitterで自身の言動を取り上げた記事を批判する前にそういう認識が必要なのではないだろうか?只でさえ小西洋之は次回の参議院選挙で落選運動の標的にされているのではないのか?それが理解出来ないのであれば国会には無用であると断言して良いが、こういう手合いに限って中々落選しない事も多い。有権者にも「見る目」が求められる。
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※テロップは何故か「民主党」のまま…手続き遅れ?それともミス?