土星の衛星エンケラドゥスには「生命が存在し得る」環境があった!

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NASAの「重大発表」は「地球外生命体」の存在の可能性についてだった。
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※こういう環境でも生命が発生し得る条件は整っていたのであれば、期待値は高まる。

日本時間14日午前3時にNASAが「重大発表を行う」としていたが、それは

土星の衛星エンケラドゥスで、氷の海から噴出する海水の中に水素分子が含まれることを突き止めた」

事であった。
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※実に壮大な水柱が立つのだろう。
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※この海底に生命が存在するのか?

エンケラドゥス」は土星の衛星で6番目に大きな衛星で、直径498kmの衛星である。土星との距離は24万km、と言われている。表面は氷で覆われており、反射率が高い為、「太陽系の天体で最も白い」との事。

また、土星潮汐力のせいか、内部から発熱しており、それ故に表面の氷の層の下には液体の「海」が存在する、と考えられている。実際南極付近から間欠泉のように氷が噴き出している様子が確認されている。言わば「氷火山」だ。

そこに「水素分子が含まれている事が判明した」事の何が「重大発表」に値するのか?と言うと、地球で誕生した原始的な生命体が「水素を餌にしていた」と、考えられているからだ。地球の海底には「ホットスポット」と呼ばれる熱水を噴き出す場所が存在する事が確認されており、そこでは熱水に含まれる物質をエネルギー源として生活している微生物が「居る」事も、そしてその微生物を「底辺」にした食物連鎖、つまり生態系が成立している事も判明している。
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※地球にもエンケラドゥスに似た環境はある。

つまり今回の発見はエンケラドゥスの「海」の中が地球の「ホットスポット」に酷似した環境である可能性がある、と言う意味だ。だとしたらエンケラドゥスに生命体」が存在する、と言う可能性が出てきたのだ。コレが「重大発表」とする最大の理由である。
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※環境が似ていれば結果も似ていても不思議はない、と言う事か。

…勿論これは「エンケラドゥスに生命体発見」と言う意味ではない。エンケラドゥスに生命体が存在し得る環境が存在する」と言う意味である。本当に生命体が居るのか?を調べるにはどんな望遠鏡であろうが地球上やその周辺から土星付近の生命体の存在など判る筈もないのだから結局現地調査でもするしかないだろう。莫大な予算がかかるのは当然だが、調べるにしても1ヶ所だけ調べて「居ませんでした」とはならないだろうから複数ヶ所を調べる必要はあるが、その具体的方法や技術的問題、そして「結果を受け入れられるか?」など、「乗り越えなければならないハードル」は高いだろう。だが、「地球外生命体の存在の有無」と言う人類の「最も知りたい事」の答えに繋がる可能性に何処まで賭けられるか?世界中で協力する必要まであるかもしれない。
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※こんな生物がエンケラドゥスに存在していたら…?

またエンケラドゥスに生命体が存在する」としてもこの衛星の環境では「陸上に上がって進化する」事はまず不可能だろうから、水棲生物、それも限られた生息範囲でしか存在できない可能性は十分考えられる。しかも光が届くとはまず考えられない「暗闇の世界」である。それ故「眼」など最初から持ち得ない生命体しか居ないかもしれないし、逆に地球上でもよく見かける魚やエビ、カニに似た生物が既に居るかも知れない。それとも既に地球では絶滅してしまった生物によく似た生物が居るかも知れない…等と想像だけは大いに膨らむが、真相が判明するのは当分先になりそうだ。不肖筆者の生きている内に結論が得られるかどうか?

エンケラドゥスの氷の下の海に熱水を噴き出す環境が存在することは東京大の関根康人准教授らが2015年に発見したのだそうだ。日本の科学者もキチンと貢献している事は誇らしい。関根准教授はTV朝日の取材に
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と、コメントしていたが、「地球外生命体」の存在を知った時、人類の意識は「変わる」のだろうか?そういう事も含めて今後の研究成果を見守りたい。